第4話

 アルベト、理央、エレパース……彼らが一つとなっている時。

 ヒロインズ。

 レイン、ニーナ、レル、梨々花。

 彼に恋をしている女たち四人は一つの部屋に集まって……地獄の女子会を開いていた。


「誰ですか。まず……」

 

 沈黙が続いている女子会。

 その沈黙を破るようにレインが口を開く。


「誰……?随分と失礼なのね。自分の愛する男の家族に対して礼儀くらい持った方が良いわよ?」


 レインの言葉に対して梨々花が口を開く。余裕綽々と言う表情を浮かべて。

 

「……家族?」


「私はお兄の……あなたたちが愛した男の妹よ?」


「「「妹ッ!!!」」」

 

 梨々花の言葉に対して他の三人が過剰に反応する。驚愕の声を上げる。


「感謝してよね?私のおかげであなたたち二人はお兄とセッ◯ス出来たんだから」


「「ッ!?」」

  

 レインとニーナが梨々花の言葉を聞いて絶句する。

 

「ッ!?!?」

 

 レルは違うベクトルで驚愕して、他の二人を凝視する。

 この中で、レルだけが未経験だった。


「未だ抱いてもらっていない子も一緒に寝よ?って言えば普通に抱いてくれるわよ。私がそうなるように教育したからね」

 

 梨々花が自信満々に言葉を告げる。

 ……他の三人は『教育』という言葉に恐れおののいていた。

 この女、やばい。

 三人全員が梨々花に対してそういう感想を抱いた。

 間違いなく全員共通にもれなく激ヤバである。凡人が見ればとてもじゃないが、信じられない奇行の数々である。


「……何のつもりなの?あなたからは同じ、雌の匂いがするわ。……忌々しい雌の匂いが。……それなのに敵に塩を送るような真似をして何のつもりなの?」


「ふふふ……」

 

 レインの言葉に対して梨々花が意味深な笑みを浮かべる。


「私はね……確実にお兄を自分の物にしたいの。そのためなら……もう少しくらい虫が居ても我慢することにしたのよ」

 

 梨々花は淡々と言葉を告げる。三人に向かって。


「常人とは何もかもが違うお兄について聞きたくない……?今のままじゃ誰もお兄と結ばれる事ができないわよ」

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