第30話
「は、早すぎない……?」
城の方へと帰ってきた僕と梨々花を出迎えてきたアレリーナは一言そう告げる。
「む……?(え……?)」
「え……?」
それに対して僕と梨々花は首を傾げる。
は、早い……?遅いって怒られると思ったんだけど……。
「ほ、本当に悪魔を倒してきたの……?」
アレリーナは少しの疑いがこもった疑問の言葉を口に出す。
「というか、ここから紅魔の森まで馬車で二日かかるんだけど……」
「我らには転移魔法があるのでな(ん……?あぁ。僕たちには転移魔法がありますから)」
「あ、あぁ……転移魔法……転移魔法ッ!?!?」
僕の言葉を聞いて納得したかのような表情を浮かべたアレリーナは……その次の瞬間に信じられないものを見るかのような視線をぶつけてくる。
「転移魔法ってあの転移魔法ッ!?伝説上のッ!?」
「くだらぬ……いちいちこの程度のことで驚くな。たかが伝説程度出来るに決まっているだろう。我を何だと思っている……(伝説かどうかは知らないけど……まぁ、て転移魔法だよ)」
「嘘……信じられないわ……どんだけ規格外なの……?」
アレリーナはとてもじゃないが信じられない、と言ったような表情を浮かべている。
……転移魔法、割とサクッと使えたんだけどなぁ……。
「ふん。別に劣等種がどれほど驚き、信じがたくとも我の知ったことではない。依頼は終わった。それで十分であろう(まぁ……でもちゃんと依頼は終わらせましたよ)」
僕はアレリーナに対してそう話す。
「あ、あぁ……そうだな。わざわざ私たちのために……心の底からの感謝を申し上げる……」
アレリーナが僕と梨々花に対して深々と頭を下げた。
「うむ……(あぁ……そんな深々と頭を下げなくて良いですよ。当然のことをしたまでです。元々僕が原因ですから)」
「じゃあ……もうこの国からバイバイしてもいいの?」
「あ、ほんの少しだけ待ってくれ……色々としなくとしなくてはいけない作業とか確認とかがあって……」
梨々花の疑問にアレリーナはそう答えた。
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