第31話

「ふむ……(ぽえー)」

 

 僕はゆっくりと進んでいる馬車の窓から景色をぼーっと眺める。

 馬車の窓の外から見える景色はまるで時が止まっているかのように静かだ。

 まぁ……僕が魔法を使って、馬車の時の流れを早くしているから外の光景が止まって見えるのは当然なんだけど。


「ふー。やっと終わったわね」


「うむ。そうであるな(うん。そうだね)」


 僕と梨々花が悪魔を倒した次の日には無罪釈放が決まった。

 しっかりと僕と梨々花が悪魔を討伐したことをとある魔道具で確認したらしい。 

 その後は、アレリーナがゴリ押して結構無理やりに僕の無罪釈放を押し通したんだそう。

 

 ちなみに、確認に使われた魔道具は……拘束されていたアルベトが作ったものなんだそうだ。

 仕組みは複雑過ぎて、どうなっているのかは誰にもわかっていないんだそうだ。


「ふふふ。今、お兄がどこに住んでいるのか楽しみ」


「ふっ……期待しておくが良い(良いところだよ。別に僕が用意したところってわけじゃないんだけど……)」


「ふふふ……私が興味あるのは……」

 

 梨々花は意味ありげな笑みを浮かべて笑い続ける。


『目的地周辺です』

 

 今、馬車の方で運転をしてくれている機械……梨々花が持ってきていたAIが音声を発生させる。


「ふむ……(あ、着いたんだ)」

 

 馬車が動きを止め、僕と梨々花は馬車から降りた。

 目的地はイルミ王国の王都に入るため門。流石に王都の街を馬車で爆走するわけには行かないので、王都前で止まって貰ったのだ。


「「「おかえ……」」」

 

 僕の到着を門のところで待っていてくれたレイン、ニーナ、レルの三人は笑顔で口を開き……。


「「「ァ?誰?」」」

 

 そして、梨々花を見てドスの利いた声を上げた。

 ……え?何これ。こっわ……。

 背筋に冷たいものが流れたよ?



 あとがき

 サポーター限定の特別SS投稿出来て無くてごめん……!定期テスト前でギリギリなんだぁ……。

 テスト終わったら特別SSで、アルベト不在時の他ヒロイン三人の状況を書いて公開する予定!

 サポーターになってくれている人はお楽しみに!

 ……サポーターになってない人はなってくれても良いんだよ……?

 お金が欲しいでず!!!

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