第26話
「これで終わりよ」
梨々花が満足そうに一言告げる。
悪魔は塵となって風に運ばれていった。……あの状態では再生することはない。悪魔は完全に梨々花によって殺された。
これで依頼は完了。
アレリーナから頼まれたことは終わったことになる。思ったよりも簡単だったね。もう少し苦戦するかな……?とも思ったんだけど。
梨々花が倒してくれたけど、僕だけでも余裕でなんとかなった。
やっぱり少しだけ僕は圧倒的すぎるかな……どうやってゲームのキャラは勝つんだ?本当に……。
梨々花は未来の技術を持っているからわかるんだけど……。僕は何でだろう?
「うむ。そうであるな。では、帰参するとしようか(……そうだね。じゃあ、帰ろうか)」
「えっ……?」
僕の言葉に対して梨々花は何故か絶望に似た表情を浮かべる。
「む……?不服か?(え?どうかしましたか?)」
「どうしたもこうもないよッ!久しぶりの再会してからまだそんなに経ってないよ!?ようやく出来たふたりきりの時間だよッ!もっと楽しもうよ!デートしよッ!」
「む……そうであるか。(え……ここで?)」
僕は梨々花の言葉に対して疑問符を浮かべる。
「えぇ……ここでよ。何か問題あるかしら……?」
「正気か……?(別にここに何もないよね……?もっと街とかでデートする方が良くない……?)」
「あっ……確かにそうかも。こんなところでデートするより街でデートした方が良いに決まっているよね!何考えているんだろう……私。焦りすぎちゃった……てへっ」
梨々花が軽く舌を出して僕に向かってそう話す。
「ふむ……そうであるな(あっ……そう?やっぱりそうだよね。うん)」
僕は梨々花の言葉に頷く。
「じゃあ……近くの街に行こうよ……!ゲーム通りだとここの近くに街があるはずなんだよね!」
「ふむ……良き案であるな。梨々花よ(うん。そうしよっか)」
嬉しそうに告げる梨々花の言葉に僕は頷く。
僕と梨々花はデートのため、紅魔の森の近くの街へと向かって歩き出した。
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