第25話

「黙れ」

 

 梨々花が溢れんばかりの殺気を向け、引き金を引く。

 

「ッ!?」

 

 光の速さへと到達している……銃口より放たれた光線が悪魔へと向かっていく。

 悪魔はそれをなんとかギリギリのところで避ける。


「なんッ!?そ……」


「避けんな」

 

「あごッ!?」

 

 悪魔の後方へと転移した梨々花が悪魔の背中を蹴り飛ばして、地面へと叩きつける。

 ……転移魔法?いや、魔法ではないな。なにかの未来技術かな?


「あぐッ……」


「ほら」

 

 無様にも地面に転がった悪魔をへと梨々花が高速に落下。

 その背中を叩きつける。


「いっ……」


 悪魔の口から紫色の血が漏れ出す。

 

「さようなら」

 

 梨々花は数多へと銃口を向けて、乱射。

 悪魔の頭は光に包まれて吹き飛ぶ。


「あっご……」

 

 頭が……顔の上半分が吹き飛ばされているのにも関わらず悪魔は口から音をもれさせ、体を動かしていた。


「……まだ死なないんだ……じゃあ」

 

 梨々花が悪魔から少しだけ離れて、小さな手のひらサイズのおもちゃの火炎放射器のようなものを取り出す。


「これならいけるかな……?」

 

 梨々花はそのおもちゃみたいな火炎放射器の引き金を引く。

 火炎放射器から青い炎が溢れ、悪魔を焼いていく。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ」

 

 悪魔の体を炎が包み込む。


「あっ……あっ……まさか……」

 

 いつの間にか再生していた顔の上半分……再生した瞳に僕や梨々花を収めた悪魔が声を震わせる。


「まさか……ッ!違うのですッ!おゆるし」


「許さない。……火力を上げよう」

 

 悪魔の言葉を一瞬で切り捨てた梨々花はさらに火力を上げる。


「アァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 

 これ以上ないまでに悲痛な叫び声を上げる悪魔……彼はとうとう再生が追いつかなくなり灰となって風へと流されていった……。

 灰となった悪魔からは完全に力を、生を感じない。確実に死んだだろう。


「ふー。これでを終わりね」

 

 梨々花が満足そうに呟いた。

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