第23話
「ふふふ……一緒の共同作業……!地味にこういうの始めてよね」
僕の隣を歩いている梨々花が嬉しそうに頬を緩ませる。
「梨々花の言う通りであるな(確かにそうかも……)」
前世。
一緒に過ごしていた時間も特に何か二人で協力してなにかすることもなかった。
基本的に互いの得意なことはバラバラだったし……得意なところは互いに天才的。手伝えるようなものなどなかったのだ。
「悪魔なんてすぐに倒しちゃいましょう?私達なら余裕ね」
「我一人であっても何が立ち塞がろうとも何の障害にもなるまい(うん。そうだね。僕達なら何が来ても問題ないよね)」
「うん。私たちなら何の問題もないよ!」
梨々花が僕の言葉に元気よく頷く。
……ん?なんか話が噛み合ってないけど噛み合ってるくない?僕の気の所為?
まぁ、良いや。
「うむ……(はい)」
「それで?……一体悪魔はどこに居るって教えてもらったの?」
「紅魔の森であるな……そこの一角をねぐらとしているとあれが話していたな(紅魔の森だね。そこの一角をねぐらにしているってアレリーナが言ってたよ)」
「なるほど。紅魔の森だね」
「知っているのか?(え?知っているの……?あ、もしかして乙女ゲームでも出てきたの?)」
「えぇ。そうよ!正解。乙女ゲームに出てきたの……確か紅魔の森ではよくわからない巨大な象の石像が置いてあるの。……でも乙女ゲームだとそれだけ……別に悪魔がいたとか……そんな話は聞いたことないんだけど……」
僕の言葉に対して梨々花が頷く。
なるほど……象の石像……。ダジャレじゃない?これ『ぞう』の石『ぞう』!
「ふむ……実に面白い話であるな……。ふむ。一先ずは一度行ってみるとしよう……行けばわかるだろう(なるほど……じゃあ、とりあえず行ってみようか。実際に行ってみたらわかるでしょう)」
「そうね」
僕と梨々花は紅魔の森の方へと向かって……。
「あ、せっかくだから歩いていこ?……長い間デートを楽しみたいな」
「うむ……良いだろう(ん?あぁ……良いですよ。そうしましょうか)」
ゆっくりと歩きだした……一緒に二人、お話をしながら。
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