第22話

「す、すまない……うちの人間が暴走してしまって……」

 

 男が部屋から立ち去ってから数分後。

 部屋の方へとアレリーナが謝りながらやってきた。


「別に構わぬ。我はそのような些事を気にするほど器の小さい人間と言うわけではない(あぁ……全然気にしていませんよ。そんなに気を病む必要はありません)」

 

 平謝りするアレリーナに対して僕はそう答える。


「……イルミ王国の第一王女からその身を預かっているというのに申し訳無い……」


「汝が気にすることにあらず。……何か問題があれば我から伝えておこう(別に気にする必要はありませんよ。もし、のことを気にしているのであれば、僕の方から一言伝えておきますので)」


「そうか……!それは本当にありがたい……!」

 

 僕の言葉を聞いてアレリーナが安堵の表情を浮かべる。


「そ、それで……なのだが」

 

 その後、アレリーナはためらいがちに口を開く。


「……実は、だな……私はお前のことを信用しているのだが、他の人間はそう簡単に信じてくれなくて、だな……」


「ふむ……(まぁ、そうですよね)」

 

 僕はアレリーナの言葉に対して頷く。

 そう簡単に認められるわけはないだろう。

 アルベトは国家転覆罪と言うやばい罪を背負った大罪人なのだから。 


「……私もなんとか粘ったのだが……やはり無条件に開放というわけにもいかないんだ」


「ふむ……で?(そうでしょうね。でしたら……私は何をするべきなのでしょうか?)」


「っ……その、ね。悪魔の討伐……それをお願いしたいのよ」

 

「ふむ……まぁ、妥当なところではあるな。(それは当然のことですね。自分が撒いた種ですので)」


「やってくれるかしら!?」


「うむ……このような些事。断ることでもない。劣等種への嘆願を聞き入れいれるのも上位種としての勤めよ(えぇ、もちろん。これくらい当然ですよ。私に任せてください)」

 

 僕はアレリーナの言葉に頷く。


「本当!よ、良かったぁ……」


 それに対してアレリーナは心の底から安堵の息を漏らした。

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