第15話

「さて。どうするの?これ……」

 

「わ、わからないわ……流石にこれは予想外だもの……」

 

 なんか抜け殻のようになってしまっているアルベト(?)を前に僕たちはどうすればいいかわからず、困惑する。


「確かに……」

 

 まさか抜け殻になっているとは思わないじゃないか……。予想外にもほどがある。

 なんで僕がアルベトの体に入ったんだろ?……なら魂が余るんじゃないのか?なんで肉体が余っているんだ?

 アルベトって量産型なのか……?

 量産型って何?


「……どうなっているの?というか、ゲームと全然違うじゃない」

 

 ボソリと梨々花が呟く。


「うん。そうだね。……この世界ってばゲームと似ているように見えて結構違うんだよね……」


「ものすごく厄介じゃない」


「……ゲーム?」

 

「これ、どうするのが正解なのかしら?こんなもの全てふっとばして帰るのが一番なんじゃないかしら?」


「……それはそうかもしれない。僕もその方が良いような気がしているよ。今」

 

 梨々花の言葉に僕は同意する。なんというか……想像以上に面倒くさそうである。


「ちょっと待って……!行かないで!お願いだから!こんな異常事態に一人で対処するとか無理よ……!」

 

 アレリーナが悲痛な叫び声を上げる。


「ふー。仕方ないなぁ……。頼られて無下にするような人じゃないから安心して」


「私も。お兄についていくから」


「良かった……」


「問題はこの後どうするか……ここだよね。どうしようもな……ん?」

 

 僕が触れていた抜け殻アルベトくんの体が発光し始める。

 

「……え?何が起こって……?さらに面倒なことに……?」

 

 抜け殻アルべトの体は発光し続ける……そして。


「ふわぁ!?」


「チョットッ!?」


「ッ!!!」

 

 抜け殻アルべとの体が完全に光の粒となってしまう。


「は……?」


「……もぉ、嫌……」

 

 そして、大量に出来た光の粒は全て僕の中へと入ってきた。


「魂の総量が増えた……?」


「む……?それはどういうことであるか?(ほえ?魂の総量が増えたって一体どういうこと……?)」

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