第14話

 まぁ……道中。

 ハプニングがあったりしたけど……そこからは何の問題もなく進むことが出来た。

 何故かは知らないけどずっと壊れたように呟き、笑っていた囚人たちは全員沈黙している。

 

「ここよ」 

 

 僕達は更にもう一つの扉の前に立っていた。

 その扉はゴリゴリの石造りの扉となっている。


「開けるわよ」

 

 ものすごく重そうな扉を動かして、アレリーナと一緒に中へと入っていく。


「おぉ……」 


 僕は中を見て歓声の声を上げる。

 石造り部屋。

 数多の魔法が施されている一室。なんか……ものすごくTHE・監獄!って感じでテンションが上がるね!


「伝統ある部屋なのよ。ここは……我が国が誇る監獄なんだよ」

 

 アレリーナがそう話す。

 ……というか、この国が誇っているもの監獄ばっかりじゃんか。監獄マニアなの?この国は?


「そして……中心にいるのが……」

 

 部屋の中心。

 そこには人影があった。

 四肢を鎖によって縛られた、宙吊りになっている男性。


「……逃げたわけではなかったというのね……?」


「あ、僕と同じじゃん。……マジで見た目同じじゃん!」


「凄い……体の構成は本当に同じだ……」


 部屋の中心。

 そこに居たのは……本当に僕と瓜二人の人だった。

 

「……でも魂は全然別物……」


「よっと」

 

 僕は部屋の中心にいる男性の方へと転移して頭を叩く。


「……」

 

 全然反応を示さないんだけど……生きているのかな?これ……。

 

「ぼむぼむ」

 

 僕は部屋の中心にいる僕と似ている男性の頭を叩き続ける。


「……」

 

 それでもこれっぽちも反応を示さない。


「え?こいつ……っば、大丈夫なの?こんなに反応示さないやつなの……?」

 

「いや……そんなことは無いと思うんだけど」


「……え?もしかしてこれってば僕のせいなのかな?」

 

 ふむ……これは僕が理由でこんなに抜け殻みたいになっちゃっているのかな?


「魂はこれっぽちも感じられないわね。抜け殻、かな?これは……」


「なるほど……」


「え……?抜け殻なの?というか魂って何!?なんでそれをすんなりと受け入れられているの……?」

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