第13話

「あははははははははははははははははははははははははははははははははははは」


「……随分と良い血色をしているなぁ……おい。その全てを噛みちぎって俺のものにしてやりたいくらいだ」


「良いじゃん!良いじゃん!良いじゃん!人の気配だよ!人の気配!」


「ひひ……ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」


「ここは……特異相対性魔法理論に基づき……相乗、歪み……困惑し……」

  

 扉が開かれたその中。

 ものすごい量の声が中へと入ってくる。


「……うるさ」

 

 僕は思わずそう呟く。


「まともに会話しないほうが良いわよ。……狂ったような奴らばっかりだから……まともに相手をするのが無駄よ」

 

 アレリーナはそう吐き捨て、歩き出す。


「ほほほほほほほほほほほほほほ」

 

 なんか……みんな狂っちゃっているような人が多い。


「……かわいい男の子。食べちゃいたい」


「ひひひ……かわいい女の子だ。襲いたい……」

 

 独房の一人が梨々花の方へと視線を向けて……手を壁に叩きつける。

 ……その瞬間に魔法が発動する。

 梨々花に向けて……何かを発動した。効果が何なのかはわからない。しかし、到底許せることじゃないよね?



「「不快」」

 

 

 僕は魔法を発動してそいつの首を消滅させる。

 それと同時に……なんか僕と同じように梨々花も別の囚人を殺していた。その手には何かわからない……銃のようなものが握られていた。未来の道具なのかな?


「へ?」

 

 壁をあっさりと破壊し、二人の囚人を殺した僕と梨々花を見てアレリーナは驚愕し、呆然と声を漏らす。


「ごめんね。でも不快だったから。殺したいって思ったから殺しちゃった」


「……お兄に下賤な視線を向けるとかありえないし……」

 

 僕はアレリーナに向かって謝罪の言葉を告げる。殺してはいけない、っていうルールがあるのは知っているけど……不快だったからしょうがないね。

 

「え、あ。うん。……良いわよ。気にしなくて良いわ……うん」

 

 アレリーナが何とも言えないような表情で頷いた。

 よし。アレリーナも許してくれた。これでよし。


「……あれ、普通に犯罪者じゃね?俺ら側では?」

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