第12話
「さて……行きましょうか」
分厚い鉄の壁を通り過ぎて、奥へ奥へと……多くの囚人が収監されている中へと入っていく。
「へぇ……」
「あら?」
僕と梨々花は奥。
収監されている囚人たちを見て驚愕の声を上げる。
いや、正確に言うと囚人ではなく
「ふふふ。その壁は我が国の誇りと言っても良いのよ」
驚いている僕と梨々花を見てアレリーナは胸を張って自信満々に告げる。
そこにあったもの。それは実に驚愕に値するものだった。
囚人たちを囲っている壁。
それは……強化ガラスのような透明な板であった。
「これは……私が開発した組織を使って作られていないかしら?これを開発したのは2100年くらいだったはず……どうしてこれが?」
梨々花が驚愕の声を上げて、首をかしげる。
え?これって最新鋭の技術……僕が居たときよりも先の時代の技術で持って作られているの?驚愕なんだけど……。
「これはどこかの遺跡で見つけられたものなの。便利なのよ?これ」
アレリーナが自信満々に告げる。
「遺跡……超古代文明があったのかな?」
「超古代文明。いい響きね。地球には超古代文明なんてなかったから……あるのならば楽しみだわ。ピラミットとか、ストーンヘンジとかモアイ象とか……不思議とされていたものは全て人が頑張った、という結論に落ち着いてしまって、ちょっとだけ寂しかったのよ」
「あ、そこらへんって解明されたんだ」
「えぇ。私が作った技術のおかげでそこら辺が一気に進んだのよ」
「おぉー!流石は梨々花」
そうか……超古代文明はなかったのか……。とはいえ、全部人力でやっていた……って言うのも驚きだけど……。
「……話が異次元の話ね。我が国自慢の遺物が軽く見えてしまうわ……」
僕と梨々花の話を聞いてアレリーナが少しだけ肩を落とす。
「それじゃあ……行きましょう?中の人間はエゲツないやつばかりだから気をつけてね」
その後すぐにアレリーナは自分のことを叩いて、奮起して歩き始めた。
そして、僕たちと囚人たちがいる空間を隔ている最後の扉を鍵で開けてそのまま中へと入った。
あ、ここは魔法じゃないんだね。
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