第11話

 石造りの階段。

 コツコツという足音が反響する階段を僕たちは降りていく。

 深い、深い地下を目指して。


「……そろそろよ」


「はーい」

 

 僕はアレリーナの言葉に頷く。


 ヴァスィリャス監獄。

 今、僕たちが居る場所である。

 ここの最も深い地下……そこに厳重に隔離された特殊な独房の中の一室に今の僕と、アルベトと似ている奴が囚われているらしい。

 

「よし。ちょっと待ってね」

 

 長い階段を降りて僕たちを出迎えたのは分厚い石の壁。

 アレリーナは石の壁に手を触れ、魔力を流し込んでいく。

 魔力を受け取った石の壁は、音を立ててゆっくりと開かれていく。

 

「面白い仕組みね……魔法、再現出来るかしら?」

 

 梨々花がゆっくりと開いていく石の壁を見てボソリと呟く。

 きっと梨々花な再現出来るだろう。


「まだ色々な仕組みがあるの。ちょっと待って頂戴」

 

 先に見える特殊な素材で出来た壁……張り巡らせれた数多の罠の数々。

 本当に厳重で簡単にいけないようになっている。

 レイン、ニーナじゃ通っていくのは大変そうである。レルは僕が上げた鎧があるから平気だろう。


「良し、来てちょうだい」

 

 僕と梨々花はアレリーナについていく。壊しながら進むことも出来るけど、しない方が良いだろう。


「「よくお越しくださいました!第二王女殿下!」」

 

 特殊な素材で出来た壁の奥へと入った僕らを出迎えたのは二人の看守だった。

 ……こんなところでお仕事とは大変だね。

 奥に見える生活感丸出しの……寂れた生活を送っていることを察せられる小屋を見てそう思う。


「ごくろう。中に入らせてもらうわね?」


「はッ!それではこちらの魔力玉にお触れください」


「えぇ」

 

 アレリーナは差し出された玉にふれる。


「本人であることの確認が出来ました!それでは……」

 

 看守の二人が鍵のようなものを取り出して魔力を流し込んでいく。

 すると、目の前にあった壁がゆっくりと動き出す。

 目の前にある壁、分厚い鉄の壁……それが一つ、二つ、三つと開かれていく……遠くにあるのは数十人の人の気配だ。

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