第10話
「おー」
僕は見えてきた街を見て何とも言えない声を上げる。
「古いわね……資料館にもないレベルの古さよ」
梨々花が彼女にしか出来ない感想を告げる。
「……一応私の国の建築物はかなりレベルの高いはずなのだけど……」
梨々花の感想を聞いてアレリーナが悲しそうな声を告げる。
まぁ、うん。梨々花は超文明が発達した世界から来た少女である。
……中世レベルの文明しかないこの国の建造物など……梨々花からしてみればゴミ当然だろう。
「流石に僕は仮面をつけていた方が良いよね」
「あ、あぁ。そうかもしれないわね。とりあえずこれから、監獄の方へと向かうから。そのつもりでお願いするわね」
「うん。良いよ」
僕はアレリーナの言葉に頷く。
監獄……!その響きはすごく良いよね。ちょっと行ってみたい!
「着いたわね」
そして、馬車が止まる。
止まった場所は王都の中、専用の発着所のような場所だった。
「さぁ……降りてちょうだい」
「はーい」
アレリーナの言葉に僕は頷き、馬車の方から降りる。
その後に梨々花も続く。
「「「おかえりなさいませ、第二王女様」」」
降りたアレリーナ。
それを出迎えたのは多くの執事とメイド。
……数は……えっと……100人くらいかな?
というか、アレリーナも王女なんだね。僕の王女とのエンカウント率高くない?僕がそこそこ深く関わった女性、ニーナ以外全員王女だよ?
王女のレアリティ低すぎる問題。こんなにポンポコ出てきて良いものじゃないよね?
「「「……?」」」
そして、執事とメイドは僕と梨々花のことを見て首をかしげる。
まぁ……それはそうだろう。
軍服仮面の高身長な男に、見たこともないような……なんか最新鋭を走っていそうな僕が見てもおしゃれと言えるような服装をしている女。
チグハグ感が半端じゃないだろう。
執事とメイドが首をかしげるのも納得である。こんな二人なのだから。
「よし。じゃあ……監獄に行こうか。二人共」
アレリーナが僕と梨々花を見て、そう笑顔で話した。
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