第8話
「え?何したの?」
僕は驚愕し、梨々花の方へと視線を向ける。
「ふふふ……私に出来ないことはないんだよ?お兄は私のなのだから。自分のものを改良するくらい簡単だよ!」
「おぉー!」
「……え?」
僕は梨々花の言葉に歓声を上げる。
流石は僕の妹である梨々花だ。天才だよ……うん。
「あぁ……えっと。アレリーナさん。先程までは失礼な言動をとっていてしまい、申し訳ありませんでした」
「……ちょっと待って」
僕の言葉を聞いてアレリーナが頭を抑える。
「その顔で丁寧な口調をされると戸惑うわ……せめて砕けた言葉にしてちょうだい」
「え?……あぁ。うん。じゃあそうするよ」
僕はアレリーナの言葉に頷く。別に僕がアレリーナの頼みを断る知勇はないからね。
「ふー……なんかもう訳がわからなくなってきたわ……こちらこそごめんなさいね。あなたを強引に連行してきてしまって」
「あぁ……ぜんぜん構わないよ。君の気持ちもよくわかるしね」
僕はアレリーナの言葉に頷く。
本当に嫌だったらそもそも着いてきていない。ぜんぜん気にする必要はない。
「でも、一応……一緒に来てもらえるかしら?あなたが脱走して、その過程でなんか転生した……魂?が繋がったのか。それともあなたは本当に似ているだけで、ただの人違いなのか……どちらにしても一度は一緒に来てほしいの……おねがい」
「うん。良いよ。最初からそのつもりだったからね」
僕はアレリーナの言葉に頷く。
「そう……それなら良かった。ありがとう」
「私はお兄とずっと一緒だから……私もついていかせてもらうわ」
梨々花が僕とアレリーナについてくれると告げる。
常に僕へと固定されている視線がアレリーナの方へと向けられる。
「……別に良いよね?」
「え、えぇ……良いわよ。当たり前じゃない」
梨々花の言葉にアレリーナが頷く。……何故かは知らないけど、梨々花の表情には、その声色には恐怖の色が映っているように見えた。
どうしたのだろうか?不思議である。
梨々花が怖いなんてことは無いよね。うん。
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