第6話
「な、なるほど……」
呆然と……どうすれば良いかわからない、そんな風にアレリーナがボソリと呟く。
「あなたが……転生者、で?その妹がこの人、と……。なるほど。なるほど……なるほど……なるほど……」
アレリーナがなるほど、なるほど、とブツブツと一人、呟き続ける。
『なるほど』そんなことを言っている割に、これっぽちも理解出来ているようには見えなかった。
というか、100%理解出来ていないだろう。
何もわかっていないだろう。断言出来る。絶対に理解出来ていないと思う……これっぽちも納得出来ていないと思う。
アレリーナ。
彼女に僕についての話……それと梨々花についての話を聞かせていた。
「……なる、ほど」
全ての話を聞いていたアレリーナがふーっと息を吐く。
「これっぽちも納得じゃないわよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
アレリーナが大きな声を上げて叫ぶ。
「理解出来るわけないじゃないッ!!!どういうことッ!?転生者ッ!?転生者って何なのッ!?……転生ッ!?というか、世界を渡る機械を作ったって何!?信じられないんですけど……理解出来ないッ!?これっぽちもわからないッ!!!こんな話を納得出来るわけがないじゃない!」
アレリーナが叫ぶ。感情のままに全力で。
それとだけど……梨々花な話については僕も驚きである。世界を渡る機械を作ったってすごすぎると思う。
まぁ、梨々花であればそれくらいのことは出来るとは思ったけどね。うちの妹は天才だからね!自慢の妹だよ。
ちなみに、年齢は既に何百という話を聞いて驚いた。
びっくりである。
「ふー。所詮は劣等種でしかないか……理解力に乏しいのだな(まぁ、その気持ちはわかりますね。僕だって驚きですね)」
……言いたいことと実際に言っていることが乖離しているのは辞めてほしいよね。せめて。
「わかるわけないじゃないッ!!!衝撃がすぎるのよッ!!!」
アレリーナはものすごく大きな声で叫んだのだった。
その気持ちは僕もわかるよ。
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