第2話
「ふふふ……いい度胸じゃないですか」
堂々としている女性に対してレインが冷たい笑顔を浮かべる。
「たわけ(そんなに怒らないでください)」
僕はレインと女性の間に割って入る。
「これは我の問題であろう?汝が出る幕ではないわ(これは私の問題のはずです……レインが出てくる場面ではないですよ)」
ここでレインが暴れ出すのは人間の社会ルール的に問題だろう。
元々レインは結構強引な方法でイルミ王国の実権を掌握したと聞いている。
そんな中で更にレインが独断専行を行い、他国へと干渉するのは色々と問題だろう。
「……私はッ!」
「汝のような劣等種が我のためになる行動を出来るなどと勘違いするではないわ。我は我のしたいように動く(その気持ちだけで十分ですよ。私の事情にレインを巻き込むわけにはいきませんから)」
僕はレインに一言断りを入れる。
「……想像以上にすんなりと行くのね……」
それを見ていた女性がボソリと呟く。
「……パパ?いなくなるの……?なんで?」
「ふむ……では汝にはこれをやろう(あー……そうですね。じゃあニーナにはこれを上げますね)」
僕は自分の毛を一本抜き、それを魔法で巨大化。
もうひとりの僕を作り出してニーナへとプレゼントする。
ちゃんと生理機能も行えるすぐれものだ。魂がないので、ただの肉の塊でしかないけど。
「……」
レルは沈黙し、女性のことを凝視している。
「……言っておくけど、私に婚約者がいるから。あなたたちが想像するような展開にはならないわよ?」
「うん……私はいい女だからね。黙って見送るわよ」
レルは謎にどや顔でそう話す。
……?なんで黙って見送ることがいい女につながるんだ?それと、女性の言葉には何の意味があったんだ?想像するような展開って……?
まぁ、そこらへんはちょっとわからないけど良いや。
「では行くぞ?劣等種の女子よ。我の時間を割いてやるのだ。感謝すると良い」
「……相変わらずの上から目線……」
どっかのタイミングでぐちゃぐちゃにして無罪放免になろ。
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