第1話

 僕の方を指さして叫ぶ失礼な女性。


「如何用か?劣等種よ(何の用でしょうか?)」


「その超上から目線の言葉ッ!間違いないわ!……あなた!アルベトねッ!」


「「「アルベト?」」」

 

 女性の告げた言葉。

 それに対してレイン、ニーナ、レルの三人は首を傾げる。……まぁ、三人はアルベトって名前を知らないからね。

 そういう反応になるのも当然だよね。


「なんでこんなところに居るのよッ!!!」


「我が何をしていようとも我の勝手であろう?(なんで私があなたにどうこう言われなきゃいけないのですか?)」


「勝手なわけないじゃないッ!あなたは我が国で収容されている身のはずよッ!」


「ふむ……」

 

 僕はその言葉を聞いて首を傾げる。

 ……え?収容中?

 その返しは予想外だよ?追放中ではなくて、収容中?え?僕ってば捕まっているの……?囚われの身なの?


「何知らないと言わんばかりの表情を浮かべているのよッ!!!……あなた、私たちのことを舐めているのかしら?……ふふふ。まさかあそこから脱走するなんてね……もう一度ブタ箱に詰め込んであげるわよ!」

 

 名前も知らない女性が僕の方へと詰め寄ってくる。

 そんな彼女の前に立ちふさがったのはブチ切れているレインたちだ。


「アンノウン様に近づかないでください。殺しますよ?」


「……殺す」


「ちょっと死んでくれないか?私が褒められるために」


 ……みんな?

 ちょっと物騒すぎるよ?殺意高すぎだね。

 殺す殺すマンになっているよ?

 後、僕は人を殺して、よくやったねーとは褒めないよ?殺人はちゃんと人間の法律で禁止されているからね?


「立ちふさがらないで頂戴。あの男は私たちの国で犯罪を起こした人間なの。捕らえないわけにはいかないの。……内政への介入を認めるつもりはないわよ?」


 殺意マシマシの三人に対して、女性は一切の怯えも見せずに堂々と言い切って見せる。

 おぉ……強いな。

 というか、レイン……イルミ王国を的に回してでも捕まえた僕……って一体何をしたんだ?相当なことをやっているよね?

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