既にBADEND済みで国外追放されているゲームの悪役貴族に転生した僕はどうやら最強で、他国の王女を始めとするヤンデレ美少女たちに囲まれているようです

第36話

「黒戟ッ！！！」

　レイオフは魔法を発動し、武器を作り出す。

　生み出されるのは光を通さぬ漆黒の巨大な戟。

　戟。

　それは古くから中国に存在する武器で戈や矛の機能を備えた武器であり、複数の武器の機能を併せ持たせた武器だ。

「行くぞッ！！！」

　レイオフが地面を蹴り、僕の方へと一気に距離を詰めてくる。

「ふむ……」

　僕は後方へと下がり、レールガンを乱射。

「ラァッ！！！」

　レールガンより放たれる弾丸をレイオフは全て弾き返す。

「……ッ！？」

　だが、それだけで黒戟のほとんどが破壊される。

　思ったよりも硬いな。

「黒戟ッ！」

　レイオフは再び魔法を発動し、修復してみせる。

　ふむ……便利な力だな。僕も余裕で出来る技術だけど。

　ダンッダンッダンッ　

　僕は軽やかに地面を飛び、引き金を引き続ける。

「クッ……！黒戟」

　そのたびにレイオフは黒戟を修復させる。

　何度も何度も。

　レイオフは既に多くの魔力を消費していた。

「ちょこまかとォ────ッ！！！」

　忌々しそうに叫びながら僕の方へと迫ってくる。

　だがしかし、僕には全然届かない。そのやる気は空回りし続ける。

「不毛たるな」

　僕はボソリと呟き、足を止める。

「……ッ！？」

　そして、一気にレイオフとの距離を詰める。

「アァッ！？」

　ダンッダンッダンッ

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！」

　レイオフとの距離を詰めた僕は近距離戦闘を開始する。

　体術を用いてレイオフの態勢を崩し……レールガンの引き金を引く。

　レイオフは気合で僕との近距離戦闘に食らいついてくる。

　僕の蹴りがレイオフの体に強い衝撃を走らせ、レールガンがレイオフの体を斬り裂く。

　それでもレイオフは食らいついてきた。

「行けッ！！！」

　レイオフの魔力が轟き、一つの姿……巨大なわんこの姿を形どって僕へと襲いかかってくる。

　わんこは僕へと思いっきり噛みつき、その大きな牙を僕の体へと突き立ててくる。

「ッ！？」

　だがしかし、それが僕の体を貫くことはない。

「ふむ……面白いおもちゃであるな（おー。わんわんだ）」

　僕はわんこの頭に銃口を向け、引き金を引く。

　わんこの頭が吹き飛び、その体を容易く消滅させた。

「……ウルフでも無傷かよっ」

「次はなんだ？これで終いか？（わんこ作れるんだね）」