第34話

「我が前に立つにはあまりにも弱すぎる(遅いですね)」

  

 僕はレールガンの引き金を引く。

 

「ァ!?」


 銃口の射線上に存在している魔族の男の頭が吹き飛ばされ、脳髄をぶちまける。


「これで終わりですね」

 

「えいや!!!」


「フンッ!」

 

 僕の近く……レイン、ニーナ、レルもしっかりと魔族たちを殺す。余裕で魔族を相手に圧勝できたようだ。

 僕達が帝城に入ってきたと同時に複数人で不意打ちしてきたけど……何一つ苦戦することもなく全滅することが出来た。

 普通に弱かった。相手にもならない……せっかく戦っていうのだから、骨のある敵と戦って遊びたいんだけど……。

 というかそもそも敵感知で、不意打ちしてこようとしているのバレバレだったし。


「お怪我はありませんか?」

 

 自分の目の前にいた魔族を倒したレインが僕の方へと駆け寄り、心配そうに訪ねてくる。


「心配など不要である。我が傷を負うことなどない。そんなことより、汝らの方だ。汝らは息災か?(いえ、心配する必要ありませんよ。私がこの程度の相手に傷を負わされることなどありえませんから。そんなことよりもみなさんのことです。みなさんは大丈夫でしょうか?)」


「はい。大丈夫です……ご心配していただき恐縮至極に存じます」


「ん!」


「ふふふ……ふふふ……心配された……私が……心配された」

 

 僕の言葉に対して三人が……バラバラな態度をもって返してくれる。

 良し!大丈夫そうだね。

 魔族の連携は有機的で……恐ろしいと聞いていたのだけど……全然骨はなかったなぁ……苦戦することはなし。絶対の武力を前にしては何の意味もないということか。

 つまらないけど……みんなが怪我しちゃうよりは良いよね。


「ふむ……では先へと進むとしよう。既に残るは一人だけであるからな(それでは先へと進んでいきましょうか。後、残っているのは一人だけですよ)」

 

「はい」


「うん!」


「そうしよっか」 


 僕の言葉に三人が頷き、最後の一人がいる場所に向かって歩き始めた。

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