第33話

「我らが担当は帝城であるな?(僕たちが担当するのは帝城ですよね?)」


「はい。そうですね。……お手数掛けて申し訳ありません」


 僕の質問に対してレインが頷く。


「気にすることではない。我が好きでやっていること故に(気にしなくていいですよ)」

 

 各国の騎士団たちは進軍を開始し、魔族たちと激しい戦いを繰り広げている。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ!!!」


「負けるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああ!!!」


「クッ!?」


「そっちだッ!そっちに行ったぞ!?」


「一旦引く!」


「アァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!マイケルッ!!!」


「助けてッ!!!助けてッ!!!いやだッ!死にたくないッ!!!」


「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええええええええええ!!!」


「フッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」


 魔族たちの力は圧倒的だ。

 三大大国の一角であるアレイスター帝国を滅ぼした魔族の強さは計り知れない。


 集団で、有機的な連携でもって、絶大な力を発揮する集団戦ではなく、個人個人……魔族単体と戦っているからまだマシではあるものの……それでも圧倒的なまでの力を所有している魔族相手では……多数の死傷者が出ている。

 ……僕が介入してしまえば一瞬何だけど……まぁ……放置で良いだろう。

 それが今の人間のルールなのであれば。

 人の命よりも国家間のパワーバランスのほうが大事であると言うのであればそれで。 


「ふむ……では我らは我の仕事をこなすとしよう(じゃあ僕は僕たちの仕事をこなしていくとしよう)」

 

 僕はゆっくりと帝都の街を歩き始める。

 道中襲いかかってくる魔族は全部動きを止めて対処する。ここで殺すのは問題だろう。

 

「さぁ……我らも出陣するとしよう……(さっさと行きましょうか。そして、早く帰りましょう)」

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