第25話
「ふむ……(やっぱり無理でしたか)」
僕は異形の姿へと変わってしまったレルを見て呟く。
レルのうちに持っている力。
それに興味があったから実際に使えるように急ごしらえで頑張ってみたんだけど……やっぱり駄目だったみたい。
レルに流れる膨大なまでの力。
それに、鎧によって強化された体は耐えていたけど……魂が駄目になってしまっていた。
崩れた魂がそのまま肉体にまで影響を及ぼしてしまっている。
体からは溶けて、一つとなって鱗のようなものが浮き上がってくる。口が大きく裂けて口から異様長くてドロドロとした舌が出てくる。
なんか蛇みたいな感じである。
とっても悲しい感じになってしまっていた。
ブレブレだぁ……なんか良い感じの瘴気も放っていて生えていた草とか、花とかがぐちゅぐちゅに溶けてしまっている。
これは……普通の人では近づけないかな。
多分レインやニーナであっても無理だと思う。
「しばし退け(ちょっと退いてください)」
僕はレインやニーナを退けてレルの元へと向かっていく。
「ふむ……(大丈夫ですか?)」
呆然と立ち尽くしているレルの前に立つ。
「あぁ……」
レルの前に立った僕を見て……レルは魂が抜けたかのような一言を上げる。
そのたった一言は僕を根底から震わせてきた。
……ん?なんだろうか……何とも言えない底知らない恐怖を感じるんだけど……。
ジュワ……。
そのタイミングでレルの放つ瘴気が増し、地面に落ちていた刀までグチュグチュに溶けてしまった。
一体どれほど濃厚で……悪影響を与える瘴気を放っているというのか。
考えるのも恐ろしいだろう。
別に僕はなんとも無いけど。
例え百倍の濃度の瘴気を放ったとしても僕には何の影響もない。
「……っ」
「ん……?」
「駄目ッ!!!」
突然。
いきなりレルが大きな声で叫んだ。
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