第19話

「こ、これは……」

 

 レルが驚愕とともに自分の体を守っている鎧へと視線を向ける。

 僕が作ってあげた最強の鎧へと。


 鎧。

 僕が作ってあげたのは鎧である。

 肉体と接続するタイプの。

 この鎧はなんか……こう良い感じに肉体と接続して肉体強度を上げてくれるようになっている。

 ちゃんと鎧を脱ぐことも出来るようになっている。


 この鎧を着ることでレルの肉体強度はものすごく上がったはずである。

 これでレルの奥底に眠っているよくわからない力を開放しても大丈夫……になるかな???なるような気もするし……ならないような気もする。

 少なくとも死ぬことはないだろう。

 体がボロボロになっちゃうかも知れないけど。


「劣等種の女よ……鎧を守りし女よ」

 

 鎧だけじゃカッコつかないよね。剣もプレゼントしてあげないと。

 ここまでかっこよくロールプレイングしたんだし、最後までそれっぽくやろう。


「我への忠誠を誓い……我の剣となるか?汝に選択権をやろう」 

 

「忠誠を!」

 

 僕の言葉。

 それに対して力強くレルが返してきた。

 あっ……そんな即答するんだね。


「よかろう。我の剣となるが良い」

 

 僕は鎧の時と同じ容量で剣を作っていく。

 禍々しい魔力を出して、空間を、世界を歪めて……ほいっ!と。

 完成!爆!誕!

 僕お手製の剣!!!

 ……レルが大事に使ってくれる良いな。頑張って慣れない武器づくりをこなして作った最高傑作の武器だから。


「受け取れ」

 

 僕は作り出した剣をレルへと渡す。


「はっ……」

 

 レルはその剣を受け取る。まるで本物の騎士のように……わざわざ僕の気まぐれのお遊びに付き合ってくれてありがとね。

 レルは僕の剣を受け取り、僕の騎士となった。

 別に僕は騎士なんて求めていないけど。それでも騎士となったのだから良いだろう。なんかかっこよくて良い感じだ。

 


 ドゴンッ!!!


 

 そんなタイミングで遠くの方から大きな音が鳴り……地面が振動する。


「ッ!?!?」 

 

 それとともに強大な魔力の波動がこちらへと飛ばされてくる。

 間違いない。

 魔族の魔力……気配だ。


「行ってくるが良い。我が騎士よ。アレイスター帝国の切り札としてな。汝は我の祝福を受けた。敗北は認められない」


「はっ!!!」

  

 僕の言葉にレルは力強く頷いた。

 騎士と王様ごっこ楽しいな……すごく偉くなった気分になれる。僕の身分なんてレインのひもでしかないのに。



「は?なにあれ?」


「なんで……プレゼント???なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」


「この恩知らずが……」



 そんなに荒れないで?二人共。

 後で二人にもなんか上げるから。

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