第13話
アレイスター帝国残党拠点
魔族の手によって壊滅したアレイスター帝国。
だからと言ってアレイスター帝国臣民並びに王侯貴族、騎士たちが全滅したというわけではない。
アレイスター帝国第五皇子、レウブン。
偉大なるアレイスター帝国皇帝家唯一の生き残り……とされている第五皇子レウブンを頂点としてアレイスター帝国最後の反抗勢力としてアレイスター帝国領南部に生き残りたちが集まっていた。
元々いた100の貴族は5分の1以下となり、何万と居た数多くの騎士も今じゃ数百しか残っていない。
生き残りは臣民を合わせたとしても1万に行くか行かないか……というところでしかないだろう。
魔族一人の襲撃を受ければ壊滅すると予想できる……脆弱な拠点。
しかし、それでも確かに存在している拠点へと僕たちはやってきていた。
そんな僕たちは……当たり前かのようにレルと一緒に拠点へとやってきた僕たちはいきなり第五皇子の元へと通されていた。
「……よくもまぁ……ぬけぬけと戻ってこれたものだな」
未だに魔族の襲撃を受けて居ないおかげで無事を保っている館の最上階で偉そうに待っていた第五皇子はレルの姿を見るなり刺々しい言葉を言い放った。
第五皇子。
年齢は18歳くらいだろうか……?王として人の前に立つにはあまりにも若すぎるだろう。
しかし、その赤色の瞳には強い意思と力が込められている。
「何様のつもりで座っているのですか?」
そんな……偉そうに座っている第五皇子。
彼に対して一番初めに行動したのはレルではなくて、レインだった。
「誰だ?貴様は?……不敬であろう」
レインに対して第五皇子は気丈に振る舞って言葉を返す。
「なんですか?既に終わった国ごときが我が国へと歯向かうのでしょうか?……あなたの国の領地をすべて頂きますよ?いつからアレイスター帝国はそれほどまでに偉くなったのでしょうか?」
第五皇子を威圧するように……そのすぐ横へと立ったレインは彼を上から見下ろしながら、淡々と言葉を話していく。
「上座に座るべきなのはあなたではありません。……アレイスター帝国とイルミ王国。どちらが上か……知りたいでしょうか?」
「イルミ王国だと!?」
レインの口から出た言葉を前に第五皇子が驚愕を顕にして、立ち上がった。
「さっさと退きなさい?……第五皇子?次期イルミ王たる私を前に座って居場所じゃないのよ?あなたが座っていた場所は」
獲物を狩る鷹……ドラゴンのような……鋭い眼光を携えたレインが妖しく、美しく笑顔を浮かべた。
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