第9話

「感謝せよ。汝が命。我が救ってやろう(大丈夫ですか?今、助けますね)」

 

 僕は魔族に襲われていた一人の女性の助けに入る。

 

「てっ!?」

 

 女性を襲っていた魔族の男は僕を見て激高して掴みかかろうとしてくる。


「汝では我の相手は務まらん。さっさと死ぬが良い(無駄ですよ」)」

 

 僕はそんな魔族の男の頭にレールガン向けて引き金を引く。

 レールガンから放たれた弾丸が容易く魔族の男の頭を吹き飛ばしてみせた。魔族の男はそれに対して何の抵抗も出来ない。

 

 魔族は人間よりも遥かに強い種族である。

 しかし、本当に人間かどうか疑わしい僕の足元にも及ばない。

 たとえ魔族が百、千、万、億……どれだけの数が異様とも一網打尽にする事ができるだろう。

 魔族程度じゃ僕の敵ではない。

 ……いや、アルベトってばどんだけ強いの?ぶっ壊れキャラにもほどがあるだろ。

 主人公はよくこんなチートキャラに勝てたな。

 そしてこんなチートキャラを倒せる主人公のラスボスとして立ちふさがれる魔王ってどんだけの強さを持っているんだ……?


「息災か?劣等種の女よ(大丈夫ですか?)」

 

 僕は倒れている女性へと手を差し伸べた。

 その女性は燃えるような赤い髪を持った美人さんである。

 ボロボロの鎧を身に纏っていて、身長はかなり高いだろう。結構高身長だと思う今の僕よりも大きいくらいである。

 見えている素肌から確認できるのは鍛え上げられた筋肉だ。

 胸もかなり大きいだろう。


「あ、あぁ……助かる」

 

 女性が僕の手をとってゆっくりと起き上がる。 

 ……立ち上がるとわかるけど本当に大きいな。2m近くあるのではなかろうか?

 こんな強そうな女性よりも遥かにちびっこであるニーナが強くて、フルボッコに出来るの面白いね。

 地球ではありえないだろう。


「さわるな。雌豚」 

 

 凄まじい速度で僕の方へと落ちてきたレインが僕の手を握っていた女性の腕へと手刀を叩きつける。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 レインの手刀は……目の前の女性の手を叩き潰すには十分であった。

 トマトのように潰れてしまった手を抑えながら座り込んでしまう女性。……い、いたそう……ものすごくいたそう。


「何をしておるか。我の行いを無為にするつもりか?(何をしているんですか!いきなり叩いちゃ駄目ですよ!)」

 

 僕は女性の腕を治してからレインの頭にげんこつを落とした。


「す、す、す、すみませんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!」

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