第8話
「ほう……(よっこらせっと)」
僕はレインとニーナと共にアレイスター帝国の帝城の上へと転移する。
「な、なにこれ……」
僕の隣にいるレインが眼下の帝白を見てぼそりと呟く。
帝国の技術と財力の結晶であった偉大で立派な帝城の姿はそこにはない。
激しい戦いがあったと予想できる帝城は既にボロボロ。
そんなボロボロの帝城を覆い隠すかのように禍々しい色をしている木がそびえ立ってる。
「これが、魔族の力……」
「ふん。くだらん、どうせ劣等種のお遊びでしかない。我の足音にも及ばぬ。汝らの方が実力は上であろう(安心してください。別に脅威でもなんでもないですよ。どんな魔族よりも僕の方が強いですし、なんならここに来ている魔族よりも2人の方が強いですよ)」
僕は不安げにしているレインに向けてそう話す。
「え?……私たちって魔族よりも強いんですか?」
「うむ。そうであるな(僕が見た感じだと2人の方が強いですよ)」
……あれ?今思ったけど2人強くね?
魔族は人間よりも遥かに強いはずなんだけど……なんで2人は魔族よりも強いの?
僕が魔法で魔族と2人、どっちが強いか測れば余裕で2人の方が強い、って結果になるんだけど……。
ニーナからはあの亀にする力、迷宮から漏れだしたエネルギーと似たような強大な力が渦巻いているし、レインからも迷宮の力とは違うけど、それと同じくらい強大なエネルギーを感じる。
……2人ってばなんでそんなに強いの?おかしくない?
え?……なんで?何か秘密があるのかな?
「ふむ……汝ら、我に引っ付いている必要は無いぞ?我の力で空を己の足場と出来るようにしてある故(それと、別に2人とも僕に引っ付いている必要はありませんよ?僕の魔法で2人も空の上を歩けるようにしてありますから)」
それはそれとして、僕は未だに僕へとへばりついている2人に声をかける。
「あ、気にしないでください」
「離れない」
それに対して2人は即答し、僕に今まで以上の力で強く……びっくりするくらい強く抱きついてきた。
「汝らが望むのであれば構わぬが(まぁ……2人がへばりついていたいというなら別に良いけど)」
強い意志を持っている2人をわざわざどかす必要はないだろう。
なんでそんなにへばりついていたいのかはわからないけど。
「既にここは壊滅しておるな。2人を連れて魔族らと会う訳にも行かぬか……場所を変えるぞ(既にここに人は居ないようですね。2人を連れて魔族たちと会う訳にも行きませんし、さっさと移動してしまいますね)」
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