第6話
「美味しい……」
天井に開けた穴をせっせと修復している二人を眺めながら朝食に舌鼓を打つ。
「……あったか」
砂糖マシマシの温かいコーヒーを胃へと流し込み、ほっと一息つく。
孤児院の方からこっちの王城に来てから早一週間。
子供たちはレインが作ってくれたものすごくしっかりとしている孤児院の方で暮らしている。
ちなみにニーナもレインが作った孤児院の方に暮らす予定だったのだが、普通に僕の隣にいた。
今、僕専用として建てられた塔にはレインとニーナも暮らしていた。
それにあたって、なんか知らないけどレインとニーナが口論していた。
二人なんか知らないけど喧嘩を一杯しているんだよねぇ……喧嘩するほど仲が良い、って話かな?
「持っているから速く終わらせなさい」
「そんなこと言わなくてもわかっている。速くパパに温めてもらうのだから」
「ァ?叩きのめすぞ?」
「今、パパから頼まれたことをやっている最中だけど?パパの意思に逆らうの?」
「くっ……このクソガキ……私が先に占領してやるわ……!あなたのようなガキじゃ占領なんて無理でしょうけどね」
「ハ?」
うーん。
幾ら喧嘩するほど仲が良いって言っても流石におくちわるわるじゃない?
二人には仲良くなって欲しいんだけど……。
「ん……?」
僕は脳内新聞で面白い記事を見つけて声を漏らした。
ちなみに脳内新聞とは世界各国の情報を魔法で集めて、良い感じに魔法による全自動で重要な情報をまとめて新聞形式にして脳内に出す魔法のことである。
「帝国が……魔族によって壊滅?」
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