第5話
「(ふわぁ……)」
僕は寝起きで怠い体を動かし、布団をどけてゆっくりと起き上がる。
「一体何時であるか?(今は何時……?)」
僕は枕の近くに置いてある時計へと手を伸ばして時間を確認する。
この部屋には窓がなくて太陽光が入ってこない。そのため、生活習慣はものすごくバラバラになってしまっている。
んー……。
お昼の11時か……まだ早いほうかな?
「おはようございます」
「おはよう!パパ!」
ニーナが起きた僕に向かって元気よく抱きつこうとして……途中でレインはたき落とされる。
「ァ?」
「虫が居たんですの。ごめんさない」
レインとニーナが激しく睨み合う。
「……何をしておるか?二人共(一体何をしていたのですか?二人して……)」
僕は何故か知らないけどものすごくボロボロの状態となっている二人へと話しかける。
二人とも服がズタズタで、殴り合ったような形跡がある。
「少し遊んでいただけですよ?そうですよね?」
「うん!そうなの。パパ。ただの戯れなの。殺し合いなんてしてないの!」
「ッ!?!?」
「ほう。そうか(そうだったんですね)」
なんだ。ただのお遊びか。
元気なのは良いことだよね。わざわざレインもニーナのお遊びに付き合ってくれているようで実に良かった。
ちゃんと仲良くなっているようで安心である。
「我への供物は出来ているか?(朝ごはんって既に作ってあるでしょうか)」
「はい。既に作ってあります」
「そうか。大義であるな(そうですか。わざわざありがとうございますね)」
僕は
「私も!私も手伝ったんだよ!!!
「素晴らしいではないか。実に大義である(本当ですか?それはすごいですね。流石はニーナです)」
僕はぴょんぴょんと跳ねて存在を主張するニーナの頭を優しく撫でてあげる。
ドゴンッ
鈍い音。
それとともに何故かレインの下の地面が大きく陥没する。
え?何?
「私も撫でてください」
レインが僕の方へと頭を差し出してくる。
「構わぬぞ(はい。良いですよ)」
僕はレインの頭も撫でてあげる。
「はぅわぁ……ありがとうございますぅ」
「では行こうか(それでは行きましょうか)」
僕は二人の頭から手を離して外へと出る。
部屋を出た瞬間。
「む?(さっむ)」
上の方から冷たい風が僕の方へと降りてきた。
「「あっ……」」
僕は上を見上げるとそこにあったのは一つの穴。
何故かはわからないけど……天井にぽっかりと穴が空いていた。
穴から見えるのは満天の夜空に輝く満月。
「満月がきれいであるな(あ、めっちゃ夜)」
全然お昼じゃなかったわ。
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