第2話
「ふふふふふふふ」
孤児院に入ってきたレインは怪しげな笑みを浮かべ続ける。
そんなレインを前にしてニーナは唸り、今まで以上に僕に強く抱きついてくる。
「駄目ですよ?……こんなところに勝手に来ては」
「む?駄目であったか?()」
僕はレインの言葉に首を傾げる。
え?別に僕はレインに『ずっと一緒に居てね』とも、『ここから出ては駄目』とも言われてないよ?
「え?……あ、はい。そうです。既にアンノウン様は私の家族なのです。ずっとあそこに居なくてはいけないのです」
「断る(え?それは嫌だ……)」
あそこにだけしか行けないとか何の拷問?
「何でですか!?」
「あれは我を収めるのには小さすぎる。この世界は我の庭である。自身の庭に出るなと汝に命じされる理由は無い。我に命じる事ができるのは我のみだ(あそこだけというのはつまらなすぎです。せっかくですし世界各地を渡り歩きたいです)」
「それでも駄目なのです!!!」
僕の言葉にレインは反発して叫ぶ。
「あなたは私に愛されて愛されて愛されて。私の元に居てくれなくては……!」
「拗ねるな。次何処かに出かける時は汝も一緒に連れて行ってやろう(あまり拗ねな
いしでください。置いていったことに謝りますから。次は一緒に行きましょう?)」
僕は不満と怒りを全力で顕にしているレインの頭へと手を伸ばして、ゆっくりと撫でてあげる。
僕がレインを置いてことに拗ねているのだろう。一緒に居たいのならばちゃんと言ってくれないと。
「はぅわぁ……」
「……ぅぅぅぅ」
僕に撫でられたことでレインは表情を真っ赤に染めてとろけた表情を見せる。
「くくく。汝にも我の瞳に移りし物を見せてやろう(これからは一緒に色々なところを周りましょうね)」
「にょにょにょ……!」
レインは僕の言葉に必要以上に反応してよくわからない反応を見せる。
「ちょうど汝が城へと帰還しようと思っていたところだ。早速帰還するとしよう(今、ちょうどレインの城の方へと帰ろうと思っていたところなんですよ……それでは早速帰りましょうか)」
僕はよくわからない反応を示すレインに向けて言葉を告げる。
「我が庇護下にあるこ奴らも連れて行く。構わぬな?(あぁ……それとこの子たちも連れていきたいんですけど……良いですか?)」
「はい。大丈夫ですよ……羽虫が一匹」
レインが僕にへばりついているニーナへと視線を向けた。
「アンノウン様に触らないでもらえるでしょうか?」
そして、レインはニーナの方へと手を伸ばした。
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