第29話
「こ、これが……噂の冒険者の実力か……マジモンの化け物だな」
「何をしたんだ?」
「さ、さぁ?……あの筒のようなもの目の前にいた魔物が死んでいたからあれから何かが出たのか……?」
「ば、化け物じゃん……こっわ」
冒険者たちからは喝采が起こらない。
ただただ困惑しているだけだった。
いや、まぁ喝采が起きられても僕が困惑するだけなんだけど……。
「して……?これは一体何なのだ?(それでなんですが、これは一体何なんでしょうか?)」
僕は適当な近くに居た冒険者へと話しかける。
スタンピートについて、僕は全然詳しくはないのだ。
「へ?」
それに対して冒険者は良くわからないアホ面を晒す。
「何だ?劣等種は言語すらも理解出来ないのか?我は此度にことについて知らぬ。何の催しなのだ?どうすれば解決なのだ?迷宮中のすべての魔物を殺しきれば終わるのか?(すみません。私は今起きていることについて詳しくなくてですね。今、何が起きているのかわからないのです。一体これは何をすれば解決するのでしょうか?)」
「え……あぁ!そ、そんなことにまでする必要はないぞ。うん。えぇっと……スタンピートにはボスが居るのだが、それを倒せば解決する」
冒険者は慌てたような口ぶりで話し始める。
「ふむ(なるほど。そうですか)」
スタンピートのボスね……。ちょっとボスが何処に居るのか聞いてみたいんだけど、それよりも先に再び大量に出てきた魔物を殲滅させることのほうが大事だな。
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」
「ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「ブフゥーーーーーーー」
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお」
再び出てきた大量の魔物たち。
数えるのも馬鹿らしくなるくらいにたくさんの魔物たち。
「『万物を貫く天蓋の天弓。生命は飛躍し、文明は天を衝く。天弓を超えしは天砲』」
僕は再び詠唱を開始する。
「『悪天奉還』」
僕は連続で右腕の大砲をぶっ放す。
大量の魔物たちを次々と消滅させていく。……それでも全然魔物たちは途絶えることを知らない。
……どんだけ魔物が居るの?
僕はそんなことを疑問に思いながら大砲をぶっ放し続けた。
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