第25話

 冒険者ギルドで受付嬢さんに理不尽に怒られたその日の夜。


「ふむ……(トイレ)」

 

 僕は尿意を催し目を覚ます。


「ほっ……ふぇ!」

 

 寝起きの僕の耳に入ってくるのはニーナの大きな声。

 

「ァ?(ほえ?)」

 

 ニーナが顔を真っ赤にしながら全裸で僕の上に座っていた。


「いや……ほっ……てっ……にょ!?」

 

 僕の上で、ニーナは意味がわからないことを延々と呟き続ける。……一体どうしたのだろうか?


「……一緒に寝たかったの……」

  

 よくわからないつぶやきの末、ボソリとニーナが呟く。

 か細い声で。


「そうであったのならば言えば良いではないか。汝の願いを無下にするほど我の心は狭くないわ(なんだ。そんなことでしたか。別に構いませんよ)」


 僕はくるりと回転し、上に乗っていたニーナをベッドの方へと押し倒す。


「ほっ!?」

 

 それに対してニーナはこれ以上ないくらい顔を赤くする。

 別にニーナの前で仮面をしている必要はない。ただの孤児が僕のことを知っているわけがないのだ。

 僕は仮面を外し、素顔を晒す。孤児院ではちょいちょい仮面を外している。


「んっ……」


「にゅん!?」

 

 それから10秒ほど唾液の交換を続ける。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 ニーナの顔はこれ以上ないまでに赤く、とろけていた。


「キテ……」

 

 そして、ニーナが僕の首へと腕を伸ばして絡みついてくる。


「良かろう(はい)」

 

 僕は自分の服を一瞬で収納し、ニーナのように全裸となる。

 

 そして……僕とニーナは互いに混じり合い睡眠の前の運動を始めた。


 ■■■■■


「すぅ……すぅ……すぅ……」

 

 疲れ果てて眠ってしまっているニーナの髪を撫でながら、僕は後片付けを行う。

 出た汁とか、匂いとかを無くしてしまうのだ。

 後片付けは、レインの時と違って血が出なかったらから幾分かやりやすかった。……まったく。なんでレインは血を出したのだろうか?病気?

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