第24話

 ダンジョンでの狩りが終了し、僕はニーナと一緒に冒険者ギルドへとやってきていた。


「ゲッ……生きていたのか」

 

 冒険者ギルドへと入った時、一つの冒険者チームがニーナを見て


「……あいつの隣に居るのか」


「さっさとズラかるぞ…」

 

 その冒険者チームはそくさと冒険者ギルドから退室していった。


「知り合いであるか?(お知り合いでしょうか?)」


「知らない」


「そうであるか(そうでしたか)」

 

 確実に知り合いだとは思うのだけど……ニーナがそう言うのであれば良いか。


「劣等種の女よ(すみません)」

 

 僕は受付嬢さんの元へと向かい、声を掛ける。


「アンノウン様ですね……お久しぶりですね。素材の売却でしょうか?」


「うむ。そうである(はい。そうですね)」


「それでは冒険者ギルドの提示をよろしくお願います」


「よかろう。我からの貸与。咽び泣くが良い(了解しました。どうぞ)」


「はいはい」

 

 僕は受付嬢さんへと冒険者カードを手渡す。


「では……」

 

 冒険者カードを受け取った受付嬢さんはとある宝玉へと冒険者カードを当てる。

 そして、冒険者カードに一つの数字が浮かび上がる。

 100、という数字が。

 この宝玉は冒険者カードの持ち物がダンジョン何階層まで行ったかどうかを図るものなのだ。

 

「は?」

 

 受付嬢さんは表示された数字を見て固まる。

 そして、

 



「到達階層100階層ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううううううううう!?」

 



 叫んだ。

 受付嬢さんはギルド全体に響き渡るほどの大きな声を上げたのだ。

 ……何で叫ぶの?

 前の叫ばれたんだけど。

 まぁ、その気持ちもわからなくはないけど……いわば現状を現代地球に置き換えると本屋なのに本がないお店にとっかの有名な失われた幻の絵画を売りにくるようなものだし。

 そりゃ驚くよね。

 

「は……?」


「100階層?」


「え?……冗談、だよな?」

 

 受付嬢さんの言葉

 ふぅーむ。

 ここはまた言って置いたほうが良いだろうか?

 あれ?また僕何かやっちゃいました?


「え?え?えぇっと……今日は100階層の素材の売却へ?」


「違うか?我は地を這い、死体を暴くような無粋な真似はしないぞ?貴様ら劣等種と同じしてくれるな。今回売りに来たのはこの少女がついてこれるところの素材である(あ、違いますね。100階層までの素材をわざわざ採取していませんので。今日持ってきたのはニーナが解体してくれた魔物の素材となりますね)」

 

 僕の言葉。


「は?」

 

 それに対して受付嬢さんは信じられないものを見るかのように僕のことを見つめてきた。

 


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