第22話

「死ぬが良い(ばーん)」


 僕はレールガンの引き金を引く。

 魔法によって弾丸が生成され、魔法によって冷やされ、魔法によって電撃が流れて弾丸が発射される。


「……ァ」

 

 レールガンより放たれた弾丸は魔物の眉間を撃ち抜いた。

 今、僕とニーナを囲んでいる大量の魔物たち。これらに向かって僕はレールガンの引き金を引く。


「せいや!」

 

 ニーナはというと。


「えい!」

 

 元気に棍棒を振り回して魔物を頭を潰していた。

 しばらく僕がレールガンを撃ち、ニーナが魔物の頭を叩き潰ぶし続ければ簡単に殲滅された。


「ふー」

 

 ニーナが血まみれの手で額の汗を拭う。


「くくく。劣等種のくせに中々やるではないか……それだけの実力が荒ればあの猿のような魔物も倒せたのではないか?(……とても強かったですね。それだけの強さがあるのでしたら、初めて会ったときにいた猿の魔物も倒せたのではないでしょうか?)」

 

 僕はニーナの元へと向かい、尋ねる。

 ニーナの強さ。

 それは普通に高いと思う。

 初めてニーナと出会った時、ニーナを襲っていた魔物を瞬殺出来るレベルにニーナは強い。

 ……これだけの強さがあれば問題なくお金を稼ぐことも出来るだろう。


「私はあまり強くなかったよ?……でも最近なんかすっごく強くなったの!これもパパのおかげだね!」


「ほう……(ほえ?)」

 

 僕のおかげ?

 別に僕は何もしていないよ……?何のことだろうか?


「ふへへ!」

 

「……」

 

 まぁ……良いか。ニーナは嬉しそうだし。わざわざ僕がその笑顔に水を指す必要もないだろう。

 

「そうか。それならば構まわぬ。それでは次の借り場と向かうとしようではないか(それでは次の狩り場に向かいましょうか)」

 

 僕はニーナに笑顔で告げる。

 ……仮面つけているからそんなの見えないし、わからないんだけどね!

 僕とニーナが他の狩り場を探しにダンジョン内を歩き始める。


「……ァ?(……何でしょうか?)」

 

 恐ろしく、禍々しく、しかしどこか懐かしいような気もする。そんな気配を感じて僕は足を止める。

 ……うーん。なんか無視しちゃいけないような気がするンゴ!


「どうしたの?」


「あぁ……少々面白いものを見つけてな(少しだけ興味深いをものを見つけましてね)」


「え?なになに?」


「我についてくるがよいわ。劣等種よ(それでは行ってみましょうか)」

 

 僕はおかしな気配がしている方向へと向かって歩き始める。

 その後をニーナがついてくる。


「ほう……(え、なにこれきもっ)」

 

 そこにいたのは歪な魔物だった。

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