第15話

 夜。

 既に寝る時間となっている。

 子供たちは既にベッドの上で寝っ転がっている。子供たちの寝顔はどの子も安らかなものだ。


「むふー」

 

 ただ一人。

 ニーナを除いて。

 どうやらニーナはあまり夜寝ることができないらしく、みんなが寝ている時間でもバッチリ起きていたのだ。


「……パパぁ」

 

 ニーナが僕に向けて甘えた声を上げる。


「我は貴様の父ではないぞ?(ははは……僕はニーナの父親じゃないよ?)」

 

 僕はニーナに向けてボソリと呟いた。


「ふへぇあ!?」

 

 ニーナは大きな声を上げて頬を赤く染めた。

 

「……うぅ……」

 

 ニーナは赤くなった表情を隠すように僕の服を持ち上げる。


「我を父としたいのならそう呼ぶが良いぞ?我は人類の親と言っても過言ではないからな(別に僕のことを父と呼んでも構いませんよ?)」


「ほんと!?」

 

 ニーナはすぐに顔を上げて、僕にキラキラとした視線を向けてくる。


「我は嘘などつかぬ(はい。構いませんよ)」


「パパァ!!!」


 ニーナは嬉しそうな声を上げて

 父親に飢えていたのかな……?


 ふわぁ。

 

 僕は心の中であくびを浮かべる。

 もう眠い。


「我はもう寝る。貴様も寝たいときに自由に寝るが良い。特別に我の上で寝ることも許可しよう(それでは僕も寝ますね。ニーナも好きなときに寝てください。どこにでも好きなとこで寝てください。僕の上でも構いませんから)」

 

 僕はベッドへと寝っ転がって目をつぶった。




「パパぁ……もう、離さない」

 


 

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