第10話
「ここであるな(ここですね)」
僕はこの街の冒険者ギルドへと一人、やってきていた。
ちなみにだけど、ニーナは孤児院の方で子供たちの面倒を見ている。
僕は冒険者ギルドの中へと入る。
冒険者ギルドの内装……それは前の冒険者ギルドと同じようなものだった。
僕は受付嬢の元へと向かう。
「そこの劣等種の女よ。ダンジョンへの入場許可書を我に献上せよ(すみません。ダンジョンへの入場許可書を貰えないでしょうか?)」
「は、はい……それでは冒険者カードの提示をお願いします」
受付嬢さんは初対面での劣等種の女呼び、なおかつ高貴な服装を纏った仮面の男というヤバすぎる見た目なのに、一瞬動揺を見せる……しかし、それでもしっかりとした対応してみせた。
うん。実に優秀な人なのだろう。
「よかろう(わかりました)」
僕は異空間に仕舞ってある冒険者カードを取り出し、受付嬢さんへと渡す。
「……Aランクッ」
受付嬢さんは僕の渡した冒険者カードを見て驚愕の表情を浮かべる。
Aランク。
僕の冒険者ランクはそこまで上がっていた。
赤王の悪魔の討伐を始めとし、数々の強力な魔物討伐が認められてここまでランクを上げる事ができていた。
信用に関してもレインが太鼓判を押してくれたし、レインが無理にでもSSランクにしようとしていたけど、それは辞めさせた。
国が冒険者ギルドへと圧力掛けるのは問題だろう。
「……確認が終了しました。……これがダンジョン入場許可書です」
そう言って受付嬢さんは僕に向かって一つの切符を差し出して来た。
基本的に、ダンジョンにはこのダンジョン入場許可書がないと入れない。……まぁ、こんなルールを守っている人はいないし、取り締まっている居る人もいないのでこの制度には何の意味もないんだけど。
「ご苦労(ありがとうございます)」
僕はダンジョン入場許可書を受け取って頭を下げる。
「???」
行動と言動が一致していない僕を見て困惑の表情を浮かべている受付嬢さんを尻目に冒険者ギルドから退出した。
ニーナにはダンジョンに行ってくると伝えてある。
早速ダンジョンに行ってみようか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます