第40話

「お邪魔しますよ」


 ベッドでゴロゴロしていたところにレインの声が聞こえてくる。

 

「んー」


 僕はそれに対して気の抜けた返事を行う。

 声が変わっていないため、声は届いていないだろう。


「いつもここにいますね」

 

 レインが僕が寝ている寝室へとやってくる。


「何か文句でもあるのか?(ここが一番居心地が良いので)」

 

 僕はベッドに寝っ転がったまま視線を向ける。

 ちなみにちゃんと仮面はつけている。


「いいえ。アンノウン様に迷惑などございませんよ」


 僕の疑問にレインは首を振って否定する。

 ……いや、勝手に僕の口から出ただけで僕の疑問でもなんでもないんだけど……。


「それで良い(……なんかすみません)」


「ふふふ。今日もいっぱいお話致しましょうね?アンノウン様」

 

 レインは楽しそうに、笑いながら告げる。


「くくく。良いだろう。ぜひ、我を楽しませるが良い(えぇ、よろしくお願いしますね。今日も楽しく話を聞かせてもらいます)」


 それに対して僕も頷いた。

 

 ■■■■■


「じゃあ……私は」

 

 いつもどおりの寝る時間となり、レインはベッドから立つ。


「……?」

 

 いつもはすぐに立ち去るのだが、今日のレインはぼーっと立ち尽くしたままだ。


「そ、その……ですね」

 

 そして、せっかく立ち上がったのにまたベッドの端にちょこんと腰掛けたレインは顔を赤くしながら口を開く。

 ……そんなに口ごもって何を言おうとしているのだろうか?

 

「きょ、今日私と一緒に寝てくれません……か?」


「む?」


 僕はレインの言葉に拍子抜けする。

 なんだ、そんなことか。


「構わぬぞ(良いですよ)」

 

「キャ」

 

 レインの肩を掴み、ベッドへと押し倒す。


「……え?……あ、え?」

 

 僕の下で呆然としているレイン。

 自分の服を空間魔法で仕舞い、裸となる。


「早く服を脱ぐが良い」


「……え?」

 

 僕の言葉にレインは呆然と言葉を漏らす。


「……む?なんだ?寝たいのではないのか?」


「え……あ、いや……こういうこと……いや。よ、よろしくおねがいします」


 レインは顔を真っ赤にしながら自分の服へと手をかける。

 徐々に顕になっていくレインの白い、きれいな肌。

 その白い肌は朱に染まっている。

 

 別にそんなに緊張することでもないだろう。

 この程度兄妹でもするだろう?

 ……別に子供を作るわけでもあるまいし。

 子供は神様にお願いしないと出来ないんだよ?それを知らないのかな?


 ベッドの上。

 一人の男と女が交じりあった……長く、そして情熱的に。

 

 日が沈み、月光が輝き……。

 

 そしてまた太陽が輝き始める。

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