第13話
というわけで僕は冒険者ギルドへとやってきていた。
冒険者ギルドは周りにある建物よりもかなり大きく立派な建物だった。
……かなり儲けていそうだ。本当になんで容認されているんだ?この組織。
国からしてみれば脅威しかなくないか?自分のお膝元に全然自分たちとは関係ない組織の戦力が集結しているんだよ?
怖くないのか?
実に不思議である。
「ふむ」
僕はそんなことを思いながら冒険者ギルドの中へと入っていく。
「おー」
僕は冒険者ギルドの内装を見て感嘆の声を漏らす。
すごい!本当にゲームみたいだ。
酒場があって、受付があって、お店があって。
ゲームによくあるような冒険者ギルドそのまんまな内装をしている!こうして見ると結構気分上がるわ!
僕は新規冒険者ギルド募集と書かれている受付のところへと向かう。
ちなみに、この世界の文字は日本語でも、英語でもない。全然見たことない文字だ。
だけど、何故か読む事ができた。実に不思議である。
「あ、えっと……冒険者ギルド志望の方でしょうか?」
受付のところに立っている女性が僕のことを見て、引き攣ったような表情を浮かべて、おずおずと声をかけてきた。
……そんなに仮面駄目?
「うむ(はい。そうです)」
僕は受付嬢さんの言葉に頷く。
「なるほど……わかりました。えっとそれではこの紙への記入と、この宝玉への接触をお願いします」
「よかろう(はい。わかりました)」
僕はとりあえず紙へと目を通す。
書かなきゃいけないのは自分の名前は性別、年齢など。基本的なプロフィールだ。
……名前。
「名前は偽名にするが良いな?(すみません。名前の方は偽名でもよろしいでしょうか?)」
「あ、はい。構いません」
「うむ(はい。わかりました。ありがとうございます)」
僕は用紙に基本的なことを書き連ねていく。
名前は……アンノウン。性別、男。年齢……確か追放されたときの年齢は16歳だったよな?経歴は空白、と。
よし。用紙の方はこれで終わりだな。
「触れれば良いのだな?(これに触るだけで良いのですよね?)」
「は、はい!大丈夫です!」
「よかろう(はい。わかりました)」
僕は置かれているきれいな宝玉へと手を伸ばし、触れた。
その瞬間に宝玉が虹色に、強い光を放ち始めた。
「……ッ!?」
それを見た受付嬢さんは信じられないものを見るかのように目を見開き、その光に驚いた冒険者ギルドの人たち全員の視線が集まってくる。
……あれ?僕、また何かやっちゃいました?
とりあえずこれは言っておくべきだろう。礼儀だ。
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