第12話

「冒険者ギルドとは、冒険者と呼ばれる者たちの専用の組織です。主な業務は冒険者へのモンスターの討伐、薬草の採取、街の掃除、住人の手伝い、商隊の護衛、雑用といった各種依頼の斡旋を行い、冒険者たちから魔物の素材の買い取ることです。他にも冒険者であることを示す冒険者カードの発行。冒険者たちのランク昇格のための試験。冒険者同士の揉め事の仲介等を行っています。世界規模の巨大組織であり、冒険者カードは身分証明書となります」


「ふむ(なるほど)」

 

 僕は警察らしき人の話に頷く。

 ……冒険者ギルド、世界規模の巨大組織なんだね。

 世界規模の巨大組織とかどうやって出来たんだ……?というか、国もよく容認しているよね……。超危険分子じゃんか。


「次にランクについて話していきますね。冒険者にはランク、という制度が存在しています。上から順番にSSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク、Fランクとなります。一番最初はFランクからのスタートなります。ランクが上がれば上がるほど、高難易度の依頼を受けられるようになり、冒険者ギルドからの補償も大きくなります。例え何かあったとしても、その後は我々がしっかりと仕事を斡旋したり、生活出来るように援助します。基本的に冒険者はランクを上げることを目標としています」


「して、ランクを上げる方法は?実力であるのならばSSランクとなるが?(なるほど……それですみません。それでランクをあげる方法はなんでしょうか?実力だけで見るのでしょうか?)」


「す、すみません……実力だけ、というわけにも行きません。冒険者ギルドの信用がなければ冒険者としてのランクを上げられないのです。Dランクまでは実力だけあれば上がれるので、Dランクからのスタートとなると思います」


「あい、わかった(なるほど。承知しました)」


「ほっ……」


「それで?何故このような組織がある?(それで、冒険者ギルドは何故あるのでしょうか?)」


「魔物への対策のためですね。自国の兵で魔物を討伐をするとなると、戦死者への補償なども必要となりますから。誰かが変わりにやってくれる方が楽というわけです」


「ふむ(なるほど……)」

 

 ……理にかなってはいるが……魔物よりも遥かな脅威が出来ているのだけど。それは構わないの?

 

「承知した。ご苦労だった(わかりました。ありがとうございます)

 

 まぁ、とはいえこの組織のおかげで僕は助かるのだから、良いか。気にすることではないよね。

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