第14話 07時19分

 久梨亜がやっと朝ご飯いただきますとなった。時間は――まあ大丈夫だろう。俺が先ほど頑張ったからな。何とかちょっと時間に余裕が出来ていた。っか。やっと朝ご飯までたどり着いたのだった。


 俺は既に食べているため、久梨亜の横に座り待っている。すると――。


「そっかー。今日新学期かだから制服着せられたのか」

「こいつ――気が付いてなかっただと?」


 朝ご飯を食べつつそんなことを言う久梨亜。マジかよ……である。


「それならそう言ってよ、意地悪だなー。女の子には準備があるんだよ?ゴウちゃんはわかってないなー」

「そんな光景を今まで見たことがないがな?今日も俺が準備したようなもんだが?」


 今までの久梨亜。新学期だから。学校だからと何か行事の時でも自ら何かすると言うことは――ない。全くない。マジでない。ほとんど俺がである。


「っか。俺起こした時に新学期って言った気がするが?」

「聞いてないー。ゴウちゃんの意地悪」

「言ったから」

「聞いてない」

「久梨亜ー。朝からイチャイチャもいいけどパン焦げるわよー」


 するとにこやかに久梨亜母がつぶやく――すると……。


「わーわー、ファイヤー」

「何でパンが火を噴くんだよ!」


 先ほどからトースターで久梨亜はパンを焼いていたのだが――何故か燃えていた。って、久梨亜母も気が付いていたら早く言ってくれよである。


 ここでパン焦げるというロスをくらったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る