雪の日の博士と助手の話
「いやー、今日も寒いね。よくこんな日に外に出れるよ。」
僕と博士しかいない研究室では……なく、今日は研究室の近くの公園にやってきている。
昨日の朝から雪が降り続いてるようで、結構な量積もっていた。
「たまには外に出ないと、気が滅入ってしまいますよ。」
「それでも、こんな雪が積もった日に出なくても……」
「まぁ、いいじゃないですか。久しぶりにこんなに積もったんですから、せっかくですから楽しみましょうよ。」
「うむむ、君がそう言うのなら、そうするか。」
「それに雪と言うのは楽しいですよ、ほらこんな風に。」
僕はパパッと作った雪ウサギを博士に見せる。
「ほう、雪うさぎか。相変わらず君は器用だね。」
「これでもも雪が降った時には妹たちに作っていましたから。」
「なるほど、道理で。」
「そんな訳で博士も何か作って見て下さいよ。」
「うーん……、作りたいのはやまやまなんだが、指先がもうメチャクチャ冷えてしまってね……」
「あれ?手袋付けて無いですね。忘れたんですか?」
「いや、この間洗濯して、その辺にほったらかしにしてたら無くなっていたんだよ。」
「……それは自業自得では、……いや、冷た!無言で手を顔に当てないでくださいよ。」
「ふん、……さて、どうしたものか。」
「いや、研究室で戻って探してきてくださいよ。」
「そこら辺の雑貨屋で買って行くか。」
「無視しないでくださいよ。あぁ!もう、勝手にポケットに手を突っ込まないでください。」
「寒いんだから仕方がないだろう。ほら、行くぞ、助手君。」
「研究室ですか?」
「雑貨屋だよ。ほら行くぞ。」
「ちょっと、引っ張らないでくださいよ。それに歩きづらいし。」
「雑貨屋までの我慢だよ。それに君も温かいだろう。」
「まぁ、それはそうですけど。」
「じゃあ、いいじゃないか。そうだ、買う手袋は君が選んでくれよ?」
「なんで僕が?……まぁ、いいですけど。」
そうして、結局僕たちは雑貨屋で博士の手袋で買う事にした。
それからは二人で雪合戦をして、博士にちょっとしたストレスを抱えている僕がボコボコにして、拗ねた博士を慰めました、はい。
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