第34話 念願の……
「ステータス!」
【イサム・ノウミ】
Lv.13
職業 隷属奴隷
HP 1230
MP 3051/4070
力 55
敏捷 2844
守備 109
魔力 1643
精神 1912
なんだっけこれ? 5555
うむ、ステータスが伸びている、これ即ちスキルが悪さをしている証なりっ!
って隷属奴隷ってなんそれっ!!?
俺冒険者だよっ! 無職からの卒業済ませてんだよっ?!
えぇいっ! いちいちツッコミどころを作るピカドンは後にしてスキルだよっ!
・スキル一覧
火魔法Lv.11 水魔法Lv.12
土魔法Lv.10 風魔法Lv.10
光魔法Lv.11 闇魔法Lv.10
時魔法Lv.58 空魔法Lv.49
整腸Lv.151 跳躍Lv.63
草食Lv.154 塞窟Lv.1
蔡主Lv.61 解体Lv.5
盗術Lv.1 魂術Lv.57
鍵術Lv.7 襲術Lv.1
艦艇Lv.1 迷走Lv.309
草 Lv.76
・エクストラスキル一覧
異世界言語
くっ、やはり草が異常に伸びてやがる。
こいつのせいで俺は、知らず知らずのうちに自給自足の無限草食地獄に落とし込まれていたのか……
だが俺は草を生やしていない、少なくとも地面に生えれば葉の擦れる音ぐらいは拾い、気が付くはずだ。
にも関わらず草が口許に継ぎ足されていく。ということは草が生えて補充される先、収納の中で繁茂していっているのか……?
現に空魔法だけレベルが抜け出て伸びている、前までは時魔法と同レベルだったのにだ。
だがそうなると、この草スキルは他のスキルに干渉することが出来るのか? いや……むしろ空魔法がそういうものなのかもしれないのか。
俺が空魔法を収納に使っているだけで、実際は作り出した空間に入り込めて、生活することが出来る。なんていうとんでもスキルなのかもしれない。
もっとも、だとしても試すこと無く自身で入ろうとは思わないけどな。空気とかあるかもわかんないし。
まぁそれは今度生き物入れて試せばいいとして、だとするとこれはどうにも解決方法が思い付かないぞ……
なんせ無意識に草を栽培供給して、草食スキルが草を食べさせようとしてくるんだ。意識すれば草を食まずにいられるが、四六時中意識してはいられない。
このステルスレベリングをしてくる草食のレベルが上がるのは、本格的に意識を乗っ取られそうで阻止したいところ……なんだけどなぁ。
はぁ……昨日はなんやかんやあってロバートさんに相談できなかったけど、早いとこ話してみよう。
にしてもなんか色々上がってるけど解体はなんで……あっ、石床壊して大根生やせたのってこのスキルの影響だったからか?
他に草スキル持ってる人はいないみたいだし、スキルのオンオフは無理、っていうか常時アクティブな整腸みたいなスキルはオフに出来ない感じだから、解体もおそらくその類いだろうし検証出来ないけど、それ以外レベル上がる要素ないしな。
ふーむ……語感的に解体って、鍛えると俺の貧弱弱々パワー改善してくれそうだし、今度岩に草生やしまくってやろうかしらん?
…………俺、何しようとしてたんだっけ?…………あっ、そうだった葉っぱだっ!
採取した葉っぱを無意識にモサってるのをどうにかしないといけないんだよっ!
とにかく意識をしっかり持って……生やせばいいんじゃん。
「おぅ……なんでこんな簡単な解決方法思い付けないんだよ俺……」
昨日ロバートさんに言われたじゃん、食べればその植物生やせるんじゃないか?って。
食べちゃうなら食べきれないくらい増やせば良いんだよっ!
「生えろ葉っぱっ!!」
さあ来いっ!……………………いや、生えろや。
どうしてくれるの、これ? なんとか言ったらどうなの草くんよぉ?
俺地面に手を翳して決めポーズ取っちゃってるんだよ?? 生えて来ないと顔に手を当ててんのが格好つかないじゃんか。
「何が悪かったんだ? 葉っぱは食べた……けど茎とかは手付かず……だからか?」
頼むでー草くん? 次やらかしたら永久追放だかんな? 方法知らんけど。モッシャモッシャ……
うむ、ヨモギやねこれ。
どうせなら根っこは食べなくても生やせるか確認しとくか。
「今度こそ生えろよ葉っぱあっ!!」
よし、にょっきり生えたなっ!
これで全部食べなくても草スキルで生やせるんやっ! これで……
「念願の金の成る木を……いや草を手に入れたぞぉおおおおおっ!!」
よっしゃあっ!! あとはこれを量産して……待てよ、このヨモギくんは常設の雑魚植物、当然換金率も雑魚いはした金でしかない。
それにあの依頼書を見る限り、どうやら調薬には複数の植物を使っているはず……つまりヨモギくんだけを大量に持ち込まれても換金率が落ちる、最悪取引停止される可能性すらあるはず。
せっかく労せず金策が行えるスキルを手に入れたというのに、金の成る草を殺すようなことをするのは愚の骨頂っ!
ならばそれ以外の、常設依頼の品を満遍なく大量に持ち込めるようにせねばならない。
更にっ!! 冒険者ランクを上げていけばより換金率の高い植物採取の依頼があることも今朝チラ見済みっ!
ランク不足でも直接持ち込めば買い取って貰えるかも知れない……だがっ! そこには不正を疑う者も現れることだろう。
何せ俺は植物の生殺与奪を握る王。
無限に増やし大量に持ち込めてしまう植物の支配者だ。
そんな俺に不正を疑うケチをつけてしまう大義名分を与えてやる必要などないのだ。
依頼をこなしていけばランクなんぞすぐに上がる。俺なら採取依頼は一度
そのためにも、俺はランクを上げるため植物マスターに、金に成る植物を
つまりは道草食い倒れツアーを敢行せねばならない……っ!
こんなところでヨモギ風情を眺めしゃがんでいる暇はないのだよっ!
「俺は
「グギャッ!」
──ゴスッ!!……ドサッ
無警戒に林の中で騒ぐアホ1名お持ち帰りでーす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます