第11話 スキル修得の道は険しいようです



 モサッ……モサッ……モササッ……モサッサ……モサッサ……モサッ…………モサッ…………モッ…………サモッ……………………


「ん~……あれ……草は? んん~……ふあぁ~ぁあっ……あ? 明るい……あぁ、もう朝なのか」


 あー、どうやらお休みからおはようまで瞑想やっちゃったみたいだな……ん? でも疲れが残っているような気もしないんだが……まさかこれが瞑想の効果なのか?


 ということはスキルとして取得できたのだろうか?


「ステータス」



【イサム・ノウミ】


Lv.8

職業 変質者


HP 450

MP 601/630


力  30

敏捷 894

守備 54

魔力 231

精神 178

なんだっけこれ? 1111



 うむ、変わらず失礼な職業だな。


 それにしても1日足らずでなんだかえらくステが上がったな……というか初期が低すぎただけか。


 そんなことよりスキルはどんなもんかな~?



・スキル一覧

火魔法Lv.1   水魔法Lv.6

土魔法Lv.6   風魔法Lv.3

光魔法Lv.3   闇魔法Lv.3

時魔法Lv.6   空魔法Lv.6

整腸Lv.23   跳躍Lv.21

草食Lv.22   塞窟Lv.1

蔡主Lv.10   解体Lv.1

盗術Lv.1    魂術Lv.14

鍵術Lv.1    襲術Lv.1

艦艇Lv.1    迷走Lv.59



 ふぅ~……瞑想取得ならず、か。


 にしても迷走くん、キミ突っ走りすぎじゃないかい? なんでそんなに……まさか、瞑想の取得方法間違えてた……?


 でもちゃんと胡座かいて、チ○チ○の大きさを誇示するかのように股間の前で両手の指を突き合わせて組んでいたんだぞ?


 もちろんその時には無我の境地で草を食み、魔法を使い、MP切れの気だるさを惰性で草を口に運んで紛らわして、回復したらまた魔法を使い、と延々朝まで続けたのに間違いだったというのか?


 それでは俺は朝までいったい、何を……? これじゃあ魔法が使えるパンダじゃん! 延々草を食らい続けるだけのパンダ野郎じゃんかっ!!


 くそっ!…………いや待て、そういえば昨日の夜は瞑想を試す前にスキルレベルの確認をし忘れていた……っ!?


 ということは昨日ここについたときには、既に迷走のレベルは今程度まで上がっていた可能性も?


 そもそもスキルのレベルこそポンポン上がっているが、スキルの修得が容易かは俺には全くの未知数。高々一晩程度で身に付く、などという保証はないではないか!


 つまり早々と諦めるのは早計である! ということだな。


 それに、例え間違っていようと異様にスキルの数が膨大なこの世界の事だ、きっとなにかの役に立つ日が来るはずだ!


 そうとわかれば早速朝食を……って草がないじゃんか。仕方ない、その辺で道草食いながら進むか。


 よし、今日こそは人里……かはわからんが謎の建造物に辿り着くぞ!



 なお事の真相は最初の数分は瞑想モドキとして多少カウントされたが、草を食み続けている時点で修得値はリセットされ続けていた。


 また以降は寝落ちし、瞑想をする夢の中での行動を、現実では実際に寝ながら草を食べ、寝ながら魔法を使っていただけである。おかげで迷走さんが全力疾走を開始したのだ。


 そして実に器用な寝相と寝言によって様々なスキルレベルも上がっていっただけなのだ。


 今回は危険のない魔法で鍛えるつもりだったため火魔法は除外されていたが、この男はそのうち夢で見た魔法を現実で使いそうな危うさに溢れているが、それはまた、別のお話。


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