第5話 初めまして
「くっ……無駄に叫んでいる間にまたスキルのレベルが上が……ん?」
【イサム・ノウミ】
Lv.1
職業 -
HP 50
MP 195
力 3
敏捷 132
守備 4
魔力 80
精神 52
なんだっけこれ? 888
なんかステータスが上がって……あぁ、スキルのレベルが上がったから何かしら補正効果でもあったのか?
力と守備は相変わらずなようだがそれ以外、特に敏捷の成長が著しいな。最初に見たときの10倍はあるぞ、これは認めたくないがおそらく迷走のレベルがかなり上がった結果だろうな。
この世界での一般的な能力値がわからないからこれがどの程度かわからないが、なんにしてもレベル以外にもスキルも能力強化には欠かせないようだな。
この貧弱な力と守備を補うために武道系のスキルは身に付けるべきだろうな、というか別物掴まされてなければここまで虚弱ボディになってなかったのでは……?
まっ、今さら言ったところでどうにもならんし切り換えていこう。
それと……なんの意味があるかわからん〈なんだっけこれ?〉も数値だけはダントツで上がってんだよな。マジでなんなんだこれ? まぁ、一応見とくか。
なんだっけこれ? 《888》
【イーリス】 -2055
【ゼムス】 2943
…………ほんとなんなのこれ? 何に使うか知らんけど数値はどっちも爆上がり、だけどイーリスとか言うのはマイナスだし、ゼムスってのも2943っつーか憎しみだし。
俺嫌われてんの? 単にゼムスって人?がゾロ目好きでイーリスってののマイナスを相殺するためにこの数値になっただけだといいなぁ……。知らない人に憎まれてると思いたくないわー。
これは現状気にするだけ無駄だな、それにしても……
・スキル一覧
火魔法Lv.1 水魔法Lv.1
土魔法Lv.1 風魔法Lv.1
光魔法Lv.1 闇魔法Lv.1
時魔法Lv.1 空魔法Lv.1
整腸Lv.4 跳躍Lv.1
草食Lv.1 塞窟Lv.1
蔡主Lv.8 解体Lv.1
盗術Lv.1 魂術Lv.8
鍵術Lv.1 襲術Lv.1
艦艇Lv.1 迷走Lv.19
ただスキルチェックしてただけなのになんでスキルレベルこんなに上がってんだろ? というか迷走Lv.19とかレベル上限いくつなんだろう……これだけポンポン上がるってことはかなり高いのだろうか?
まぁ強くなれることは間違いなさそうだし簡単に鍛えられるに越したことはないよな。でも迷走は意図して鍛えられるもんなのか……?
うーんよし、とりあえずMPを使わず鍛えられそうな草食でも上げとくか。
その辺の草をブチブチ…っといただきまーす! モッサモッサ……
「ブハッ不っ味ぅっ!?」
あぎゃああぁっみっ水っ!? エグ味と臭みと草味があああああっ!!
「ウォーターっ!!」
──ばしゃん!
「ごぼあっ?! ふごっ!? ぶはあっ! ごほっごほっ!! はぁっ……はぁっ…はあぁぁ…………ズビーッ!!」
……うん、また焦って使っちゃったよ。
水が勢い良く口の中に飛び込んでくるのは危ない。喉を打ち付ける水流も鼻からブビーッ!って逆流して噴出する水も痛いからやっちゃダメ、いいね?
にしてもなんなの草食? スキル詐欺じゃん、不味いじゃん。草は草だよ。
くっそぉ~……不安の多いパラメーターなんだから楽に鍛えさせてくれよぉ……いや待てよ?
草が不味いのはまだスキルレベルが低いのが原因か? それに何もモッサモッサする必要なくね? 要は食えばいいんだから噛まずに草汁出さずに腹に納めればいいんだよ!
よっしゃ! さっきより少ない草をブチっと軽く丸めて……
「ウォーター」
はいごっくん。ね、簡単でしょ? これを何回か繰り返せば……よしきたレベル2ぃっ!
先ほどとの味の違いは……モッサモサ……うぐっ! だっだが耐えられる……っ! なんか腹がヒクヒク痙攣してるけど耐えられるぞっ!!
「ってこれ毒草だろっ!! なんだよ痙攣て!? 整腸もレベル上がってるじゃねぇか! あー持ってて良かった整腸っ?!」
……いやマジで整腸無かったらマズかったんじゃね? これ服毒耐性的なのあるだろ?…………なら両方上げられて服毒限定でも強くなれるんならいいか。いやいいのか……?
まっ、とりあえず食うかモッサモッサ……って道草食ってる場合じゃねえっ!?
俺まだ森の真ん前切り株停留所だよ! はよ人里行かな無一文飯抜き……いや今草食ってるな、じゃなくて野宿だよっ!
「こうしちゃおれん! 俺は行──あうちっ?!」
──バキャッ!!
いっててぇ……切り株の根っこに足取られちゃったよ、焦ったらダメだね。
てか根っこ引っ掻けたにしてはデカい音──
「フー……フー……」
わぁおっきなクマさん!
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