人里目指して

第3話 異世界転移しちゃったみたい



「──ずちをっ!!!!…………ってあれ? あぁ転移したのか……」


 状況把握しようと辺りを見回していく。


 正面には鬱蒼とした森への入り口のような人の出入りで踏み固められた道、そこからぐるりと右回りで見回せば草原が広がり、その先は丘陵地帯。

 さらに右に回り森の反対側は平原、遥か先にはなにか建造物のようなものが見える。

 丘陵地帯の反対側まで回るとそちらも草原となっていた、その先に川が流れ、更に先にはうっすらと青く見える山々がそびえ立っているようだ。


 とりあえず進むべきは平原の先の建造物だな、だが動き出す前にまずはステータスの確認をするべきだろう。


 先ほど見回したときに目についた森の入り口脇に残された切り株に腰掛けた。


「ステータス」


 そう呟くとスキルを選択したときのようなウィンドウが立ち上がった。


「おぉ、いくら根腐れした駄女神とはいえ嘘は言ってなかったか。それに表示一瞬現地語が見えたが日本語翻訳されたな、俺自身が現地語を読めるようになるわけじゃなかったか異世界言語」



【イサム・ノウミ】


Lv.1

職業 -


HP 30

MP 145


力  2

敏捷 12

守備 2

魔力 50

精神 23

なんだっけこれ? 666



・スキル一覧



「ふぅ~……よしっ! まずは能力値について考えようか。MP、それと魔力を見る限り完全に魔法使いタイプだな? 鍛えている人より強いと言っていたけど、あくまでLv.1としてはってことなのかな?

 それとHP、これは普通……だと思いたいところだな。こんなことなら平均でも聞いておけば良かったか? 別に高かろうがイキるつもりはないけど、今後活動するときにどの程度まで耐えられるのか知っておくべきだったな。これについては誰かに聞ければいいのだけど……まぁ、次だな。

 敏捷はともかく残りの力と守備だけど、弱くね? これは魔法使いタイプとなった弊害だと思いたいなぁ……もしくはLv.1はこんなものであれ!

 なんかそこいらの子供にすら負けそうな貧弱なステータスのような気がして不安だなぁ……」


 さて、本題だ。


「すぅ~……〈なんだっけこれ?〉ってなんだクソバカ駄女神ぃっ!!!!」


 よし、とりあえず言いたいことは言った。あとは冷静に予測しよう。


「しかし、この〈なんだっけこれ?〉の項目……忘れるくらいならおそらく戦闘や日常ではさほど重要な項目では無いのだろうな。一応タップ……駄目か、詳細表示も無しか。

 あの本を見せてきたせいで幸運という言葉がちらつくが、さすがにそれは無いだろうな、よくある項目だし。

 他の可能性としては器用さ……不器用とは思わんがこれまで人並み程度のものだ、こんな飛び抜けるような数値にはならないだろうな。なら魔法防御……いや、それは精神か?

 ならいった……ん? 今、数値を……いや、なんで数値側をタップなんだよ?」


 〈なんだっけこれ?〉横の666を何気なく触れたことで、新たにポップアップウィンドウが開いたようだ。



なんだっけこれ? 《666》

【イーリス】 0

【ゼムス】 666



「なんだ……人名か? このゼムスって人?の数値が〈なんだっけこれ?〉に反映されているのか……よくはわからんが、とりあえず幸運とは別物だろうな。

 それにしても……666とか嫌がらせか? 幸運だったならともかく、この不吉な数字が幕開けなのかぁ。

 まぁクリスチャンってわけでもないし、レベルを上げていけば数値も変わる……これその人に依存した数値だったりするのなら変わらない可能性もあるな。

 うーん、まっ気にするだけ無駄か。次だ次、スキルの確認だ。そういやスキルもレベル制なのか確認するの忘れてたな」


 スキル一覧としか今は表示されていないが、タップすると画面が切り替わり、スキルの項目が見えるようになった。



・スキル一覧

火魔法Lv.1   水魔法Lv.1

土魔法Lv.1   風魔法Lv.1

光魔法Lv.1   闇魔法Lv.1

時魔法Lv.1   空魔法Lv.1

整腸Lv.1    跳躍Lv.1

草食Lv.1    塞窟Lv.1

蔡主Lv.4    解体Lv.1

盗術Lv.1    魂術Lv.3

鍵術Lv.1    襲術Lv.1

艦艇Lv.1    迷走Lv.8


・エクストラスキル一覧

 異世界言語



 おぉ……神よ……っ!!


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