六話
永川をおちょくってやったあと、俺は教室で虎野たちを待つことにした。
なんでかっていうと、やつらのステータスを見てみたいし、俺がここにいることで現状は全然変わってないんだと油断させるためでもある。
あとは天の声を聞くためだ。またスマホを通して何かを無料配布してくれるかもしれないしな。
「…………」
しかし、中々やって来ないな……。待つだけじゃ退屈ってことで、俺は生徒たちの目が外へ移っている間に【ダストボックス】スキルのレベルを上げるべく、自分に対して何度も使ってやった。
お、早くもスキルレベルが上がって、収納できる枠が20個まで上がりましたと表示されたので、ステータスにかけた【隠蔽】を一旦解除して確認してみることに。
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名前 如月 優斗
HP 23015/23015
MP 7018/7018
攻撃力 1007
防御力 1015
命中力 1005
魔法力 7018
所持スキル
【ダストボックス】レベル2【魔法作成】レベル2【超魔力】【慧眼】【隠蔽】【命中力上昇・大】【防御力上昇・大】【攻撃力上昇・大】【HP+23000】【MP+5000】
所持魔法
『エクセレントヒール』『マジックリカバリー』『カタストロフィ』『ディスペル』
称号
《スキルコレクター》
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よしよし、いい感じだ。誰かに見られないようにすぐに【隠蔽】を使うと、前回のものがスキルに記憶されていたのか一瞬でしょぼいステータスに戻った。いちいち色々隠さなくていいから便利だ。
『――救世主候補の皆さまにお知らせがあります』
お……夕陽が射し込んできた頃、例の声が聞こえてきた。
『これより、食料や寝具をタダで提供したいと思いますので、スマホの準備をしておいてください』
食料や寝具か。確かに必要なものだし、よく考えたら朝からまったく食べてないからお腹が空いてきた頃だ。
食堂はどうせ大勢の生徒が押し寄せて混沌としてるはずだし、異次元通販を通して獲得するのが正解だろう……ん、天の声に呼応されたらしく、虎野竜二が恋人の浅井やナンバー2の近藤らとともに帰ってきた。
「さすがボスゥ、殺人鬼い。何人も窓から投げ落としたあ」
「フン、やつらが俺様に逆らったからだ」
「ププッ……あれはマジ笑えたぜ。雑魚のくせにボスに逆らうなんてよ……」
「ヒヒッ、まったくです。ボスはサイコーですよぉー」
「虎君の恐ろしさ、思い知ったかって感じね」
「…………」
連中は相変わらず物騒な会話をしている。異世界に転移したことで虎野たちは殺人も気軽にやってるらしい。さて、早速畜生どものステータスを既に見た永川を除いて【慧眼】で覗き込んでやるか。
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名前 虎野 竜二
HP 118/118
MP 19/19
攻撃力 98
防御力 95
命中力 85
魔法力 19
所持スキル
【格闘家】レベル1
所持テクニック
『念動拳』
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お、さすがボスなだけあってそこそこ強いな。それでも俺には全然及ばないが。『念動拳』も調べたら、効果は有名な波〇拳みたいなもんで、気の弾丸を飛ばすやつだった。
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名前 浅井 六花
HP 14/14
MP 27/27
攻撃力 5
防御力 14
命中力 20
魔法力 27
所持スキル
【回復師】レベル1
所持魔法
『ヒール』
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残虐な女の浅井は意外にもヒーラーだった。こいつにだけは絶対に癒されたくない。
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名前 近藤 孝彦
HP 78/78
MP 19/19
攻撃力 81
防御力 70
命中力 65
魔法力 19
所持スキル
【盗賊】レベル1
所持テクニック
『スティール』
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近藤のやつ、ナンバー2なだけあって結構ステータスが高い。『スティール』はお金や物を低確率で盗める効果らしい。盗み癖があって普段からよく万引き自慢をしてるし、こいつにピッタリだな。
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名前 影山 聡志
HP 50/50
MP 18/18
攻撃力 90
防御力 36
命中力 40
魔法力 18
所持スキル
【暗殺者】レベル1
所持テクニック
『威圧』
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影山は一段と物騒なスキルを持っていた。おいおい、【暗殺者】って……高校生が持っていいスキルじゃないと思うが、こいつの親はマジモンのヤク〇らしいから相応しいな。『威圧』は、相手をしばらく麻痺させる能力らしい。
よし、敵陣の調査は済んだし、あとは天の声を待つだけだ。
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