第四章 神様⑦
照子は頭の中が真っ白になった。
「で、、、調べてみてびっくりしたんだけど、その天手力雄神が天照大御神がお隠れになっていた岩戸を投げ飛ばしてできたのが、戸隠山ていう言い伝えがある。そして奥社は天手力雄神を祀ってるんだ。」
照子は口を半開きにして動かない。
「僕たちはもう、ずっと前に爺ちゃんの登ってほしかった山に登ってたんだよ。」
僕はなるべく優しく続けた。
「照子が登山に拘ってた理由はわからなかったけど、もしかして、戸隠山に鍵があるんじゃないかって思った。ごめんな、お見舞いにこれなくて。でも早くお前にこのことを伝えたくて、いろいろ調べまわったんだぞ。」
「何度も奥社や頂上まで行ったんだけど、よくわからなかった。でもある日、奥社の巫女さんが俺に話しかけてきたんだ。「もしかして、善光さんのお孫さん?」て。その巫女さんは爺ちゃんから僕か照子が奥社にきたら渡してほしいって言われて預かったものがあるんだって声をかけてくれた。それがこれ。」
僕は木曽漆器の箱を照子に渡した。
照子は言葉も出ない様子だったが、ゆっくり箱を開けた。
そこには、大量の手紙がぎっしりと入っていた。
宛名はすべて、「私の太陽へ」だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます