第2話

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どの少女漫画にも必ず主人公のことを守って愛してくれる王子様が存在する。主人公がピンチになったら必ず現れて助けてくれる。私はいつも、王子様を待っていた。だが、実際には王子様なんて高望みはせず、自分のことを助けてくれる教師やクラスメイトが欲しかったのだ。


あるアイドルグループの歌が聞こえる、自分らしく生きる、大人の言うことなんて聞くなと聞こえてくる。そして、この歌に救われた人々のインタビューが紹介されていた。私は思った。本当はただ全テレビに映りたいだけではないか、本当に悩んでいたのか救われたのか。全国区に顔を晒すなんてできない、そもそもインタビューいいですかと声をかけられたこともない。ああ、この人たちは幸せ者なんだと感じる。大人に反抗心を歌ったのこの曲は大ヒットしていた。


そもそも、歌に救われるという感情が理解できない。この歌を歌っているアイドルグループは何万人も応募したオーディションを勝ち抜いた勝ち組だ、ニキビだらけの顔もたるんだ一重瞼の人も存在しない。勝ち組が歌っている曲の何に救われるのか。


そう思いながらも、彼女たちのような勝ち組を見て私も憧れを持ってしまったのだ。大金を貢ぎライブにも行き、グッズも買った、握手会にも行った。


そうして、気付いたのだ。勝ち組の人間に私のような負け組が洗脳されたかのように、貢ぎ続ける姿は地獄だ。


それから、お金をかけるのも彼女たちを見るのもやめた。

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無名ちゃん まいるさん @mairusan

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