無名ちゃん
まいるさん
第1話
@
この世界はルックスが全てだ。ある成人男性が小学生にわいせつな行為をした。それだけを聴くと皆、気持ち悪いと言う。しかし、犯人が連行された映像を見て、イケメンだとイケメンなのにどうして、こんなにイケメンならやり放題だろというコメントで埋めつくされる。まるで犯罪がなかったかのように。
私はよく不細工だと言われていた。おまけに肌も汚かった。スキンケアには充分に気を遣い、二重にするためにアイプチもした。だが、不細工だったんだ。ニキビも治らない、不細工と言われる辛さから人に顔も向けられなくなり、学生時代はスクールカーストの底辺になった。トップにくる人間はルックスがいい。ここでもルックスだ。ブスがどんなに頑張っても生まれた時から底辺だと決まっているのだ。高校の時、生物の授業でニキビ菌というワードがでた。教師が「この生物はニキビ菌が存在して、この中にもいるでしょう、ニキビある人」ああ、この教師はなんでこんなことを言うのだろうか、このクラスでニキビができているのは私しかいないのに。ひとりの女子生徒が私を指差してニキビ菌と笑っていた。それに連なってスクールカースト上位の男女が笑っている。教師も笑っている。この世界がはやく終わりを告げますように。
高校を卒業した。幼い頃から憧れていた少女漫画のような展開は現実には存在しなかった。いつか王子様が現れると思っているのは、シンデレラコンプレックスとバカにされるようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます