どうも、未来の貴方の親友です。
ケイ
どうも、未来の親友です。
「どうも、未来の親友です。ちょっとお話よろしいですか?」
あら、驚いていらっしゃる。まあ、無理もないですね。
私が話しかけたのは、小学生になる前の少女ですから。でも、私はこのことを伝えたくて参りましたので、ちょっとだけ聞いて行ってくださいませんか?
「あ、あなたは誰?」
「私は
そう言ったら私の幼い親友は首をかしげた。
「あなたは、どうして私に声をかけたの?」
「ああ、うっかりしてました」
ああ、うっかりしてましたね。その理由を話していませんでした。一番大事なことだったのに。私、忘れっぽくて。
「貴方に問題を出しに来たのです」
「問題?それって難しい?」
「いいえ。簡単ですよ。ただ、その日まで覚えていればいいだけですからね」
「??」
おっと、口を滑らせてしまいました。
でも、よくわかっていないようなのでよしとしましょう。だって、相手はまだ幼稚園や保育園に通っている少女ですからね。
「まず、私がなぜここにきたのかをお話ししなくては」
「面白いお話し?」
「さあ、どうでしょうね?」
やっぱり少女は純粋だ。憎らしいほどに真っ白で、妬ましいほどに真っ直ぐだ。
ここは本当に変わらない。
「お話をする前に、一つ宜しいでしょうか。……あなたには、私が何歳くらいに見えます?」
「うーん……。20歳くらい」
「そうですね。まあ、正しいでしょう」
少女のその答えを私は曖昧に頷く。
「さて、それではお話を始めましょうか」
あれは、私が小学四年生の頃です。私は親の仕事の事情で転校しなければいけなかったのです。
私は不安でした。ここにいて、もといた場所に帰った時に未練があったら嫌だから、友達は絶対に作らないようにクラスの皆と距離を置きました。
ですが、それを私はすぐに破りました。
友達が、できたのです。
名前は言えませんが、彼女と私は趣味があったので良く一緒にいました。
家で遊んだりもしましたし、一緒に笑い合ったりもしました。
次の年も、また同じクラスになれればいいと思いました。
その願いが届いたのか、次の年も同じクラスで一緒に話すことができました。
その子と過ごす日は楽しいものばかりでした。たわいもなく話すのも、一緒にゲームをするのも、本を読むのも、全部が楽しくて、あまり好きじゃなかった学校も、楽しくなりました。学校に行きたいと思うようになりました。
だから、またこう願いました。
次の年も一緒がいいと。
そしてやっぱり、その願いも叶いました。
でも、その後から、全部が変わってしまったのです。
六年生になってから、その友達は私から離れていきました。
なぜかは分からないけれど、話すことすらなくなったのです。
喧嘩なんて一度もしたことありませんでしたし、何が理由かもわからなかったんです。
あの時は、訳もわからずに親友を恨みましたねぇ。
憎くて憎くて仕方なかった。
その時から、私は性格が変わりました。
ええ、大幅に改変しましたよ。例えばですけれど、前は人のことをずっと考え続けていましたが、今はもう、考えなくなったりとか。
あまりいい変化ではありませんでしたが、私としては満足していますよ。
そして、仲直りもできずにもといた家へ帰ったのです。
いやあ、辛かったですね。
やはり、人は信じられませんよ。
今はそれなりに楽しいのでよしとしますがね。
「どうでしょう?楽しんでいただけましたか?」
「悲しくなかったの?」
「ああ、悲しいよりも辛い、苦しい、と言った感情の方が強かったですからね。それもまあ、今となってはこうやって軽く口に出せてしまうほどどうでもいいみたいです」
おっと、そんなに悲しい顔をさせるつもりはなかったのですが……。
……もう時間になってしまいました。
それでは、問題を教えましょう。
「あなたに問います。……あなたは、将来もっと色々な人と交流を持つようになるでしょう。その時に、俺を見つけてください。期間は死ぬまで、です」
「……??わかった」
「では、もう時間がないので………。私とここで会ったことは、誰にも秘密にしてくださいね」
では、私は帰りましょうか。
彼女が、私を見つけることができると思った方は、コメントでもなんでも、教えてくださいね。読みにくかったら、それもどうぞ教えてください。
それでは、またお会いしましょう。
どうも、未来の貴方の親友です。 ケイ @irohakaguya
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。どうも、未来の貴方の親友です。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます