十二章 最後の終着駅
十二章_最後の終着駅
今日もまた乗客を乗せるため幽霊列車が現れる。それは魂を解明し死後の世界へ魂を導く列車だ。乗組員は車掌【死神】フジニア、車掌補佐【ヴァンパイア】きさらぎ、料理長【ゾンビ】グリン、バーメイド【妖夢(サキュバス)】カーナ、子神【夢喰い】ネムの五人で乗客の魂を解明する。
「電車がきたわ!」
「来たぞ...」
「早く乗りたい!」
駅に着くと幽霊列車の扉が開き乗客はロビーに案内された。乗客を待っているのは二人の異形。二人はお辞儀をすると車掌・フジニアは話し出した。
「お待たせいたしました。長い間ご苦労様でした。私は車掌のフジニアと申します。こちらは車掌補佐のきさらぎです」
「補佐のきさらぎです。よろしくお願いいたします」
「皆様、今しばらくお待ちください。当駅から乗車していただいたお客様は五名。これから皆さまは五駅の旅にご案内致します。皆さま各駅にて
ご準備ください。それでは駅に着きまでどうぞお寛ぎください」
と車掌・フジニアは言うと車掌補佐・きさらぎと共にロビーを後にした。二人がロビーから出て行くと乗客たちは自分たちの好きなように動いていた。ある者は料理を食べ、ある者は酒やドリンクを飲んでいた。
「あら?あなたはどんな飲み物が飲みたいかしら?」
「バーメイドを一つ」
「お腹すいた?なら僕お手製のオムライスをどうぞ!」
「いいの!美味しそう。ありがとう!」
ロビーに残った女性は椅子に座り一息ついていた。するとネムは女性にお茶を渡した。
「どうぞ..」
「私にくれるの?ありがとう...美味しい。あなたは乗組員さん?」
「そう..ネムはお茶を渡す人..お菓子もあるよ」
と言うとネムは籠に入っているお菓子を見せた。女性は中からクッキーを手に取った。
「どれも美味しそうね!なら、このクッキーを貰ってもいいかしら」
「あげる..それはママの手作りクッキー..ネム好きで最高なの..」
「そうなのね!いただきます。う~ん!美味しい!」
と女性が言うとネムは喜び小さな羽で回った。
「色々ありがとう。お茶とクッキー美味しかったわ。私はそろそろ部屋に戻ろうかしら?」
女性がそう言いながら立ち上がると列車が止まりアナウンスが流れた。
『え~古谷~古谷~列車が止まります』
するとロビーに銃殺された遺体が現れた。
「きゃああああ!どうしてここに...榎木さんが亡くなって...殺され...え..」
混乱する女性にきさらぎは優しく肩を掴み話しかけた。
「安心してください。本当に無くなっているわけではありません。魂を一時的にお借りしているだけです」
「魂を借りてる?」
「はい。あなたはこの人の関係者ですね」
「はい..そうです」
「ならば私たちが貴方の前世を解明します」
きさらぎはそう言うと車掌・フジニアとともに前世を解明するため調べ始めた。幽霊列車の旅は始まったばかりであり、この度はまだまだ続く。
幽霊列車~前世の旅(完)
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