遊園地とお花の髪

華やかな髪


日曜日


俺は自分の部屋で私服に着替えて髪をセットする

よし、今日は上手くいったな

アイロンをしまって少し休憩をする


すると


「ふーまー!」


ひまわりの家から声がする

なんだよあいつこんな時にまで

俺は部屋の窓を開けた


すると


「げ!!」


ひまわりはまた下着姿になっていた


「何着たらいいと思う?」


「し、知らねーよ!早く服着ろ!」


「ん?あーそっか!」


そっかじゃねーよ!学習しろ!


しばらくするとひまわりが家に来る


「ひまちゃんおはよー!」


雪乃も学校が休みだから家に居る

母さんは今日は仕事だ


「いいなーダフニーランドに行くんでしょ?」


雪乃がひまわりに言うと


「そうだよ!風馬が作った友達も一緒にね!」


水瀬の事だろうけど

そうだよな、水瀬もいるんだよな

なんか緊張してきたな

と思った矢先


「ん?ひまわり、お前、前髪ぐちゃぐちゃだぞ?」


「んー?」


ひまわりの前髪は本来左に流れるはずなのに

なんで左右に分かれてハートみたいになってんだ!


「じゃーふーま髪やって?」


「???」


ふふーんしょうがねーやつだなー


「俺の部屋に来い」


俺は部屋に戻りひまわりの前髪を濡らす


「ひまわりは左に前髪を流さないとダメだろ?

だから根元の方向は右に向いてないと左に流れないんだよ」


「やって!」


「乾かす時に最初右に乾かして

毛先の方は左に流れるように根元を抑えて乾かすといいぞ」


「すごーい」


「アイロンも流したい方向と逆に前髪を引っ張る

このまま真っ直ぐ通すだけだ」


「すごい!」


「あとついでに他のところもアイロンするぞ?」


「ありがとー」


これで現地集合のダフニーランドに行く


「みんなもう居るかな?」


「俺ら結構ギリギリだからいるんじゃねーか?」


ダフニーランドの前に会場の前に立つのは

手島、湯山、北谷だった


「ごめーん、遅れたー!」


ひまわりが言うと


「5分前集合だからおっけー!

あとは遥香だけだね」


湯山が答える


しばらくすると


「お待たせ」


水瀬の声が聞こえる

俺は振り向くと


「ギャ!!」


か、かわいい……

白いワンピースに花柄がうっすらと描かれている

な、なんだこのかわいさは!

直視できねー!眩しすぎる!


ひまわり

「じゃあ行こっか!

っとその前にみんなにお土産〜」


「お?なになにー?」


ひまわり

「じゃーん!!クッキー焼いたー!」


しずく

「おー!すごーい!」


ひまわりはお菓子作りが昔から得意だった

中学の時に調理自習でケーキを作った際にはなぜか50cmくらいの高さのケーキが出来上がったことが有名な話だ

そんなひまわりのクッキーをみんな食べる


遥香

「おいしい……」


ひまわり

「でしょー!」


みんな絶賛をしていた


ひまわりのクッキーを食べ終わってダフニーランドの中に入る

ダフニーランドの入口には広い花畑が広がっている

そこに行くと

水瀬は猛ダッシュでその花畑に行く

そして写真を撮る


「すげー、遥香、花好きなのかな?」


しずく

「かもしれないね」


花が好きだからこの間ダリアの花なんてくれたのか

花が好きなんてどこまでもお上品で敵わない


ひまわり

「この花はなんて名前なの?」


遥香

「これはね沈丁花【ジンチョウゲ】っていう花だよ

英語でダフニーっていうからこの遊園地もダフニーランドって名前になったんだよね

んでね、春にしか咲かないからこのダフニーのいい香りがするから春にダフニーランドに行ってみたかったの!」


ひまわり

「そうなんだ!」(9割何言ってるかわかんない)


ひまわりのやつも水瀬と仲良くしてくれて本当に助かるな

多分水瀬も俺と北谷と同じ孤独族なのは間違いない

だからこそこのダフニーランドに来てくれたことに対しては喜ばしいことなんだ!


会場に入ると


「あー!この花はネモフィラ!なんでここにあるのー!?

え!ここにもディモルフォセカがある!

えー!!ここにルピナスが!!」


「遥香、楽しそうでなによりだよ」


湯山が水瀬に言う

ほんと何よりだよ


その後は色んな乗り物に乗る


「きゃーー!!スイートアリッサム!」


水瀬はジェットコースターで花の名前を叫んだり


「わー!!ヒヤシンスー!」


ゆったりと観光する乗り物でひたすら花の名前を連呼する水瀬



しずく

「なんだかんだで遥香ちゃんが1番楽しそうだね」


ひまわり

「よかったよかった!」


こんなにはしゃぐタイプじゃないと思ってたから俺もなんか嬉しいな


各々で休憩を取る


遥香

「みんなごめんなさい、私つい興奮しちゃって」


ひまわり

「いいんだよ、楽しんでくれててよかった!」


しずく

「遥香ちゃん花が好きなんだね」


遥香

「うん、お母さんがお花屋さんで働いてるから

私もそれで花が好きになったの」


しずく

「へぇーだからそんなに見ただけで何の種類かわかるんだ」


遥香

「そうなの!私友達も少ないからこうやってダフニーランドでお花のこと語り合うのが夢だったの!」


しずく

「そ、そうなんだ」(誰も語り合えてないけどね…)


遥香

「あ!ほら!」


水瀬はまた花の方へ1人飛び出す


しずく

「やれやれ」


「遥香っておもろ!」


そう言うけど誰も行こうとしないから俺が行く


遥香

「この花知ってる?」


風馬

「なんだこれ知らん」


遥香

「ハナミズキ」


風馬

「あーー聞いたことあるなー」


遥香

「ハナミズキの花言葉はね」


水瀬はこのハナミズキを見つめながらこういう


遥香

「"華やかな恋"」


風馬

「………」キュン


水瀬がなんでこんな花言葉を言ったのかはわからない

たまたまハナミズキがあったからなんだろうけど

水瀬は今、どこかの誰かと華やかな恋をしてるのかな

そんなことを考えると胸が痛くなる

そうじゃないことを祈りたいな


しずく

「これがハナミズキ?」


手島もその間に入ってくる


遥香

「そう、綺麗でしょ?」


しずく

「うん、綺麗」


3人で見ていると

ぶーん!!!

季節外れのミツバチが飛んでくる


しずく

「きゃあー!!!」


手島は思わず逃げるが


「おわ!」


俺に突進するようにその場で倒れた


「い、いてー…ん!!?」


俺は手島の体勢に少し動揺する


パ、パンツが…


ま、まるみ


【ガツーーン!!!】


「何見とんじゃあーー!!!」


「見えただけじゃあーー!!!」


なんでいつもハプニングは手島なんだあー!!

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